その後D
「ところでお前…どこかで会ったことねえか?」
シリウスが何気なく発したこの台詞。これにギクリと反応を示したのは約二名。ユキとセブルスだ。
リリーは寧ろ紹介したいと思っているのでぱっと顔を明るくした。
「…うわぁお。シリウスって守備範囲随分と広かったんだね。」
「は?違ぇよ!?」
「いや、うん。君が結婚していないのには何かしら理由があるとは思っていたけれど、そういうことか。」
「いや、だから…」
「安心しなよシリウス!皆には内緒にしといてあげるからさ!」
「オイィィィ!?」
ヘラヘラと笑う親友にがっくりと肩を落として、シリウスはテーブルに突っ伏す。
「同性の次は幼女とかマジで笑えねぇんだけど。」
「ハハハ。ジョークじゃないかシリウス!」
尚も反省の色が無いジェームズを、シリウスは顔を少しあげて睨み付けた。
「自分はエバンズと結婚出来たから関係ないって思ってんじゃねぇだろうな。」
「何を言ってるんだシリウス!」
「え?」
「リリーはもうエバンズじゃない!ポッターさ!!」
「あ、そ…。」
ジェームズは学生時代、自分と同じように同性愛者疑惑の噂を流された事は無かった事に出来ているらしい。
十中八九その理由の中にエバンズ…じゃなくてリリーと結婚出来たっつーことがあるのだろうが。
「それにしても一年生…、11才かい?小さくて可愛いね。そうだリリー!息子は勿論愛しているけれど、そろそろ娘もいいんじゃないかな!?」
「確かに小っせえな。一年の中でも小せぇんじゃねぇか?」
「ジェームズ、シリウス駄目よ離れて!!」
「リリー!?」
カッと目を見開き、眉間に皺を寄せるリリーに思わず硬直する。そ、そんなに娘が嫌なのだろうか。それとも僕と愛しあうのが…!?と見当違いな所でショックを受けているジェームズに呆れた眼差しを送っていると、リリーは衝撃的な発言をする。
「ユキはセブと結婚するって決まってるんだから!!」
「「「「え?」」」」
声を出したのはリリー以外の全員だ。当人達まで何故声をあげたのかは疑問だが。
「リ、リリー。いくらなんでもそれは彼女が可哀そ…不憫じゃないかい?」
「意味変わってねぇぞジェームズ。つーかスネイプは俺と同い年なんだから、幼女好きってコイツの事じゃねぇか」
「え、セブ…スネイプ教授、そうなんですか?」
「誰が幼女好きだ。貴様と一緒にするな」
「んだとテメェェェェ!!」
いつまで経っても気に食わない奴だ。ただ昔(噂がたつ前)に比べて我慢がきくようになったような気がする。
「あー卒業が楽しみね!ウエディングドレスは私に任せて頂戴!!」
鼻歌まで歌い出したリリーに、当人達は額に手を当ててうなだれていた。こうと決めた彼女はそれに向かって一直線。もはや修正不可能だろう。
その様子を見て彼女の夫は驚きから表情をへらっと崩して一つ頷いた。
「リリーがあれだけ喜んでるならいっか!」
「「「いや、良くないだろ」」」
スネイプは兎も角、少女に同情した。