「…」
「…む?」
「…」
「ユキ殿ではないか。そんな所で何をしておるのだ?」
『こんにちは。』
それはコッチのセリフです。
桂さんを見かけたのは真選組屯所近く。何故私がこんな所にいるかは置いといて、私が珍しく反応したのは彼に原因がある。だってサンタの恰好をして背負ってもいたらしい白い袋をゴソゴソと漁っていたのだ。何やってんだあの人、と遠目に見ていたら視線を感じたらしい彼に見つかってしまったのだった。つぶらな瞳のエリザベスもコッチをガン見しながら立て札を立ててきた。
「桂さん何やってるんですか?」
「桂じゃない、三太だ。」
「…はあ、じゃあサンタさん…」
「サンタじゃない、三太だ。」
「…」
「…」
一緒じゃね?違うの?発音?聞いてるだけじゃ分からないんですけど。まさか漢字変換されてる?分かんねーよ。
「……それ、プレゼントですか?」
流すことにした。
「ん?うむ。今日はクリスマスだからな。三太に扮して真選組に爆弾と言う名のプレゼントをしてやろうと思ってな。」
…いやいやいや。
「何、大丈夫だ。誰も俺だとは思うまい。この赤い服、白い髭。どこからどうみても三太の仕業だ。」
その長髪と後ろの白い巨体に角を生やした生物で丸分かりですよ。ところで、エリーそれトナカイ?トナカイなの?身体は茶色にするとか、せめて赤鼻を着けるとかあるでしょう。首輪して角着けただけじゃん。無理だよ、それトナカイじゃないよ。黄色い嘴のあるトナカイなんていないよ。黒髪長髪のサンタもな。
それはともかく、これって犯行現場に遭遇ってやつですよね。このまま爆弾が爆発して、容疑者扱いほ困る。非常に面倒臭い。
ということは此処で見て見ぬ振りも出来ないということだ。此処での私のミッションは、桂さんと爆弾を一緒に回収する事だ。…非常に面倒臭いが。
「……桂さん。」
「桂じゃない、サンタ…違った三太だ。」
「これからお昼を食べに行く所なんです。美味しい蕎麦屋さんがあるって聞いて。」
「なぬっ?」
お、食い付いた。
「なんか真選組の裏にあるって聞いたんですよね。桂さん知りませんか?」
「真選組の裏に…蕎麦屋?エリザベス知っていたか?」
『はい。』
「だろうな…ってオイ!お主知っておったのか!?」
『はい。』
「な、何故教えぬのだ!俺が蕎麦好きなことは知っていただろう!」
『昔からある老舗なので桂さんは既にご存知かと思いまして。』
「む。し、知っているぞ勿論。よしユキ殿!連れて行ってやろう。エリザベス、お前は先に戻っていろ。」
『はい。』
アンタ絶対知らないでしょう。案内と称して自分も食べるつもりですね。取り敢えずミッションコンプリートみたい。爆弾のことはすっかり忘れてるみたいだし。それよりも…
「桂さん。」
「む?なんだ。」
「アッチです。」
「…」
「…」