つかまえる
銀さんによって定春から解放された私は、そろそろ帰ろうと思い立った。…立ったが、一つ大きな問題がある。
…此処どこ?
塀の上に上がって街を見下ろす。此処どこ?困ったなー。ぼんやりとしていると目の前に影が差した。ん?と見上げるとそこには桂さん。
隣にしゃがみ込んだ桂さんは、なんかすっごい見てくる。人間だったら凄い怪訝な顔をしていると思う。
「お主に頼み事があるのだが。」
はあ?
猫に突然話し掛けてきたよこの人。
「その…肉球を触らせ…
ガシャーンッ」
グイッと頭で膝を押すと、そのままのかっこで桂さんは後ろに倒れ落ちた。 それを一瞥して場所を変える。私は何も見てません。
暫く歩いてから再び立ち止まり、ぼんやりとしていると目の前に影が差した。また?と思って見上げるとそこには高杉さん。…なんか怒ってます?
「漸く見つけたぜ、ユキ。」
高杉さーん!良かった、迷子だったんですー。などの言葉を込めてにゃーと鳴く。
「ったく、すぐに戻るから出歩くなって書いただろうが。」
読めませんでした。達筆過ぎますよ高杉さん!てか可笑しいなー。行ってこい的なことが書いてあったと私の勘が言ってたのに。を込めてにゃー。
「はぁー、取り敢えずテメェの家に帰るか。」
つかまえる、高杉さんが
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(無事に戻りました)
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