※短編『ノリって大事』続編。



「えぇーー!!嘘やん!嘘やろ!?」
『ボッスンは見ていて分かりやすかったがな☆(笑)』
「なんやスイッチ気ぃ付いとったん!?アタシ知らんかったわー!!




…二人が付き合い始めたやなんて!!」

頬を赤らめ身を乗り出してくるヒメコと、メガネをキラリと光らせるスイッチ。その向かいのソファには俺、ボッスンと先日付き合い始めたユキが座っていた。

『是非とも詳細を聞きたいものだなヽ(^o^)丿』
「なぁユキ、どっちから告白したん?やっぱボッスンか!?」
『二人の様子から察するにボッスンからだろうな(爆)』
「あー、なんか胸のあたりがキュンキュンするわぁ。なあなあ、どないな事言われたん?あー!ちょっと待ってや!こう…キュンキュンすんねん!ちょっと待ってや!」
『ボッスン、再現してみてくれないか?(笑)あ、録画するから少し待ってくれ(´・ω・`)』


……
………

「ウッセェェェェエエエ!!!!」

勢い良く机を叩き立ち上がる俺。もう俺の顔は林檎以上に真っ赤になっていることだろう。勿論恥ずかしさで。

「もう何なのお前ら!!俺を辱めてそんなに楽しいの!?」
「そんな辱めるやなんて。アタシ等はそんなつもりとちゃうねんで?」
『そうだYO!俺達は仲間としてお前らの事を知りたいだけだYO!』
「だったらそのニヤニヤした面ヤメロォォォオ!!」

隣で呑気にお茶を啜るユキ。え、お前なんでそんな他人事なの!?当事者じゃん!

「告白の前までのムービーならあるよ。」
「『マジか!!』」
「ちょ、ちょーっっと待てユキ!!」
「大丈夫大丈夫。ボッスンの百面相が映ってるだけだから。」
「全然大丈夫じゃなさそうだけど!?」

止める間もなくユキの携帯に群がったヒメコとスイッチ。これはもう取り返せないなと諦めを覚え、溜め息を吐く。

「ねぇボッスン。」
「あ?んだよ…」
「今日帰り寄り道してかない?」
「、おー…何処行くんだ?」
「最近駅前にメロンパンの移動販売が来てるんだって。焼きたてで美味しいんだってー。」
「へぇー。そういえばクラスの女子が騒いでた気ぃすんな。」

たしかキャプテンだったか。ヤバ沢さんはヤバいって言ってた気がする。
そんな放課後の予定を話し合っていると、正面に座る二人が携帯画面から目を離し、こっちをガン見しているのに気が付いた。そして二人はこそこそと話し始めた。

「…」
『…』
「デート?放課後デートやんな?」
『そうだな(●´ω`●)』
「キュンキュンするわぁ。どんなデートするんやろ?気になんなぁ。ボッスンはちゃんとエスコート出来るんやろか。心配やわぁ。」
『気になるならついていけばいいじゃないか☆(^_^)v』
「それもそうやな。なんかアタシがドキドキしてきたわぁ。」


……
………

「お前等絶対ェ来んじゃねぇぞォォォオオ!!」

折角の放課後デートまで邪魔されてたまるか!





リクエストありがとうございました。ヒメコちゃんは話を勝手に広げてくれるので、書いていて楽しかったです。