※脇キャラ注意。サッチ視点。



久し振りの陸。浮かれた家族達は買い出しのため街へと繰り出し、かく言う俺サッチも数人の部下を連れ、食材調達をしに降り立っていた。
そんな風に市場を物色している最中、偶然に見掛けた出来事だった。

「白ヒゲ海賊団不死鳥のマルコだな!」
「貴様の首、俺達がいただいた!!」

2対1なら勝てるとでも思ったのだろうか。サーベルを片手に悪い笑みを浮かべる賞金稼ぎらしい奴らだが、如何せんタイミングが悪いと思う。

「マルコ隊長と…ユキさん!?」
「サ、サッチ隊長、参戦しますかっ?」
「いやぁ〜…」

今のマルコには俺でさえも話し掛けるのは嫌なのだ。

「…テメェ等、久し振りに二人きりなれたっつーのに邪魔すんじゃねぇよい」

ゆらりと炎がマルコの身体を纏う。
理由を言うならば、マルコはユキが不足しているからだ。

「問題ねぇだろ」
「で、でもユキさんも居ますし…」

なんだそれ、と思うだろう。俺だって思うし。だけどマルコにとっては重要な事らしいのだ。まあ、ここ数週間二人は寝るときくらいしか行動を共にしていなかったらしいのだが。あれ、…十分じゃねぇか?

「問題ねえって」

コキリ、と指を鳴らすと男達は怯えて一歩下がる。おいおいそんなんでマルコに勝てると思ってたのかよ。

「まあまあマルコさん。手加減してあげて下さいよ。ひーふーみーよー…彼等も奢ってくれるって言ってますし」
「なんだよいそのボロっちぃ財布は」
「あ、あれ!?俺の財布!?」
「は!?な、なんで…いつの間に!?」

どうやらユキが持っているのは小者の財布らしい。いつの間にスったんだアイツ。呼び寄せの呪文かなんかだとは思うが、客観的に見ている俺にも分からなかった。

「マルコさん早く行きましょう」
「ユキがそう言うんなら仕方無いねい。さっさと消えな」
「「ヒッ…ヒィィィィィ!!」」

マルコがひと睨みすると小者二匹は尻尾を巻いて逃げていった。相手にもされないで可哀想に。

「「どっちが悪党ーーー!?」」

いや、マルコもユキも海賊だから悪党といえば悪党だけどな。叫ぶ部下二人に苦笑いを零して、俺達もさっさとその場を離れようと促す。触らぬ神に祟りナシってやつだ。

「マルコさん。これでアイス食べましょアイス」
「ユキの一口くれれば良いよい」
「じゃあ二段にしても良いですか?」
「好きにしろよい」

後ろから聞こえてきたいつも通りの会話に俺はぶはっと吹き出して笑い、部下二人はそっと涙を拭いた。

「なんすかあのカツアゲしに行ったら逆にされた、みたいな悲しい図」
「なんか俺涙出てきた…」

今日も白ヒゲ海賊団は平和だ。