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◎神野センセーと私

職員室で神野先生と二人きり。思いきって僕は聞いてみた。

「神野先生。」

「鳴海先生、どうしました。」

「えぇと、先輩についてなんですけど…」

チラリと顔色を伺うと、神野は顔を真っ青に染め、手に持っていたプリントをバサバサと落とした。
…すごい動揺の仕方だ。
ホント何したの先輩。

「…何があったんですか?」

「…元々アイツとは合わんのだ。授業は居眠りするし、生意気で。いつも人を小バカにしてヘラヘラいる。」

うわー、すごい言われようだよ先輩。

「殺気を向ければ何倍もの殺気と攻撃を繰り出してくる。そのくせ問題を解かせれば某有名大学の入試問題も軽く解く。」

ホントすごいな先輩。

「…ある日、アイツを問い詰めてみたことがあるんだ。」

−−−−

『貴様、タイムトリップのアリス以外にアリスを隠し持っているだろう。』

アイツは首を傾げてケラケラ笑う。

『えー?持ってませんよー。何なら高等部校長のとこ行きますー?』

生徒が知るはずのない高校長のアリス。神野の顔に驚愕の色が浮かぶ。

『まー、センセーには近いうち話そうと思ってたし、いっか。私、忍者なんですよー。』

ほら。そう言ってアイツは印を組み、影分身をして、神野の周りを囲んだ。

『ね?』

全員が一斉に首を傾げる。そして、神野はそのまま意識を失った。

−−−−

「…それからというもの、アイツを見ると冷や汗が止まらんのだ。」

完全なトラウマだ。確かに僕も初めて聞いたときは驚いたけど。もっと軽いものから見せてもらったから全然平気だ。

「お、神野センセーはっけーん。」

突然現れた先輩は、ヘラヘラ笑いながら神野先生に近付く。神野先生は真っ青で、一歩ずつ後ろに下がっていく。
そんな二人を見ながら苦笑いする鳴海だった。