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◎レオと私

初めて会ったのは何時だったか。小学生か中学生か、ハッキリと覚えてはいないけれど、その時から気になってしょうがなかったんだ。


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あの頃の僕は所謂100戦錬磨で、声フェロモンのアリスを使えば他人の彼女だろうと簡単に落とすことが出来た。(今もそうだけど。)
最初に話し掛けようとしたきっかけはほんの少しの好奇心。柚香先輩と仲が良くて、ナル先輩にも物怖じしない。掴み所のない、フラフラした印象だった。
この人を落としたら、柚香先輩やナル先輩はどんな顔をするだろうか?

「オネーサン。今から俺とデートしよ?」

何時もよりも気合い十分に、子供らしく、少し潤ませた上目遣いで、可愛く可愛く声をかける。ほら、周りは直接アリスを受けた訳じゃないのにメロメロ。

カンタン。

「え?今から神野センセーのとこ遊びに行くところなんだけどな、」

来る?と言って首を傾げる。は?神野?呆然として首をゆるゆると横に振る。
そ?じゃあね。と言って紙袋一杯に入った肉まんのうちの一つ手渡して、初等部に消えて行った。

それは僕にとってあまりにも衝撃的な出来事で。肉まん片手に、しばらく佇んでいたのを覚えてる。

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突然消えたあの日から数年。久しぶりに見た彼女は初めて会った時よりも随分身体が縮んでいた。

「久しぶり〜!」
「うきゃっ」

可愛いー!!!小さーい!!女子高生並みのテンションで彼女を愛でる。あんなに大きく見えた彼女は(身長的にも戦力的にも)こんなに小さかったんだ。それでも鼻を掠める香りは先輩のもので。
車で突然現れてから抱きしめたいのを我慢して我慢して、ようやく港に付いて車から降り、力一杯抱き締める。

「……昔から思ってたんだけどさー。なんで呼び捨てなの。」

されるがままになっていた彼女が口を尖らせて呟く。可愛い。

「レオちゃーん、ぎゃっ」

ちゃん付けが気に食わなくて、強く抱き締める。

「それはもちろん、」

対等でいたいから、だよ。



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取り敢えずレオは主が大好きってハナシ。過去は捏造。