興味

「今日転校生が来たんだ。」



はじまりは夏目のこの一言だった。

「ほぉ、もぐもぐ。」
今日も七辻屋の饅頭は旨い、と小さい体で口一杯に饅頭を頬張る姿は愛嬌があると思う。思うが、食い過ぎだ。
「ごくんっ…して、どんな奴なのだ?」
「え?」
「色々あるだろう。男だの女だの、格好良いだの美しいだの。」
「え?あぁ、女の子だよ。容姿は…俺もよく分かんないからな。」
「で?」
「で、って?」
「お前が気にするくらいだ。何か、感じたんだろう?」
「うーん、話はしてないから詳しいことは分からないんだけど…」
夏目の顔が柔らかくなる。コイツに、こんな顔をさせる人間はどんな奴なんだろう。

「笑顔が暖かかった、かな…。」

ほんの少しだけ、興味が湧いた。