確かに思った。キャラと関わるのも有りかなって。けどさー、ワザワザそんなイベントは起こしてくれなくていいと思うんだ。
跡部くんの目が何かを企むような感じで私を見てくるので、のらりくらりとかわしている今日この頃。ていうか、基本的に授業が終わったら教室を出るってだけだけど。
さて、今は放課後。部活動が始まり、遠くで運動部の声と、テニス部のファンクラブの子達の歓声が聞こえる。
こんな時間に帰宅部の私が何をしているかというと、すっかり寝過ごしたのだ。影分身に授業を任せ、校舎裏の木の上でうたた寝をしていた。影分身も起こしてくれればいいのに、とも思ったがどうやらバイトにも代わりに行ってくれたみたいなので文句は言えない。
欠伸を一つ零した所で、冒頭に戻る。
「おい、さっさと運べ!」
「ちっ、分かってるよ。おら!お前は足持て!」
「それにしてもコイツ起きねーな。」
「だろ?さらって下さいって言ってるようなもんじゃねーか。」
ハハハハと下品に笑う声。私のいる木の下で繰り広げられている会話に頭を抱える。おいおい、誘拐の仕方がガサツすぎるぞ。そんな喋ってる暇があるなら早く車に押し込んだほうがいいよ。
無意識に声を潜めて溜め息を吐いた。
ん?この気配…
えぇぇぇ。何このイベントー。
「ちっ、本当にコッチに居るんだろうな…」
「あ、ちょお待って。靴ひもがほどけてしもた。」
「先行くぞ。」
「ヒドいなぁ。」
仲良しだなこの二人。いつも一緒にいるね。徐々に気配が近付いてきて跡部くんの姿が見え始めた。
「!!テメー等何してやがる!」
「や、ヤベェ見つかったぞ!」
「落ち着け、相手はガキ一人だ。押さえて薬で眠らせろ。」
「あぁ!」
「ちっ、忍足!誰か呼んでこい!」
「はっ?お、おい跡部…!?」
でもまぁ、変わらない平和な日々は私には刺激が足りないらしい。ニヤッと笑って、校舎の陰に気配を消して移り、見つかるタイミングを窺った。
→