ビーッと電子音が響き、試合が終わる。俺のチームは僅差ではあるが、見事跡部のチームに負けた。軽く息を整えてから跡部に近付く。
「跡部、お疲れさん。」
「忍足。今回は俺様の勝ちだな。」
「せやなぁ。ま、今回はチーム分けが良くなかったわ。」
「あーん?強がるんじゃねーよ。お前等はよくやったぜ?」
「相変わらずやなぁ。」
中学の頃から変わらない自信家な奴に苦笑い。跡部らしいっちゃらしいが。それにしても跡部のファンは凄い。2クラス合同やったけど、女子殆ど来とるんとちゃうか?キャーキャー騒ぐ女子を横目に、コートを見渡した。
「あ、跡部見てみぃ。女子のほうも試合終わったみたいやで?」
「あーん?試合やってたのか。」
「まあ、全員がファンって訳やないからなぁ。クラスに数人居たって可笑しくはないやろ。」
男子のコートで次の試合が始まる。女子は相変わらず周りで騒いでいる。
「で?誰がやってたんだ?」
「Aクラス対Hクラスみたいやな。Hクラスは…あぁ、女バスのエースとか騒がれてた子やなぁ。後の2人も中学の時はバスケ部やったような。」
「Aクラスは…バレー部の神山と手芸部の井崎、もう1人は帰宅部の吉田か…。」
「なんちゅう不平等なチーム分けや。点数見てみぃ。あの点差はある意味虐めや。」
「まぁ、経験者が集まってればしょうがない点差だろう。寧ろあのメンバーでよくあの点を入れた、と誉めてやったほうがいいだろう。」
ビーッ
試合終了の合図が鳴り、中央に選手が集まる。6人でバスケて…。
そこでふと違和感。まずは並んでいる場所。点数の高い方に、Aチームが並んでいる。次に彼女達の態度。勝ったと予測したHチームの女子達は心此処にあらず、といった状態だ。逆にAチームは凄い笑顔。背の高い子なんて挨拶の後両手を挙げて「よっしゃーっっ!」なんて叫んでいる。
これはつまり…
「勝ったのはAチームらしいな。」
「みたいやなぁ…。」
先生もいつも通り怠そうにしているが(いつも通りってどないやねん)、少し驚いたみたいでAチームの子の頭を軽く叩いている。
「どないなってんねん。あのメンバーにあの点差で勝つなんて不可能やろ…。個人能力が素人とじゃやっぱり違いすぎる。」
「それでも、あれが現実だ。」
いつの間にか女子も次の試合が行われていて、点数もゼロに戻っていた。
「あの3人、俺様の試合も見ていなかったみたいだしな。少し調べてみるか。」
ニヤリと笑う跡部に頬が引きつる。
「自分、それ根に持ってるだけやないか。」
「興味を持ったってのは嘘じゃねぇよ。」
一瞬、跡部は目を細めてAチームだった彼女達を見た。そして、踵を返して行ってしまった。
俺も彼女達をチラリと見て、心の中で静かに手を併せた。
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