生徒会室にて書類を片付けていた時の事だ。書類を整理していたユキが小さく悲鳴をあげた。

「っい…!」
「どうした」
「指切っちゃった」

ユキの指を見ると血が流れていた。近寄ってその手をとる。

「ったく、仕方のねえ奴だな」
「景吾?」

口を近付けてその指にそっと口づける。その後血をペロペロと舐めとる。

「っ…景吾」
「ん…」

口内に鉄の味が広がる。名前を呼ばれたので一旦止め、顔をあげた。

「景吾…」
「なんだ」

いつにない声色に内心でニヤリと笑う。しかしそれも次の瞬間崩れ去った。

「……駄目じゃない。口内には数百種類の菌がいるんだから傷舐めたら菌が入っちゃうでしょ。」
「おま、萎えるようなこと言うなよ」
「いや事実だからね。景吾がウイルス感染しちゃう可能性もあるんだからね。もうこういうことしてはいけませんよ!」
「お前は俺の母親か」
「母親は侑士でしょ?」
「それはない」