「あ、ユキ!今日テニス部見に行こぉよ!」
「うんっ!」
「もぅホントに向日くん格好いいんだけどぉ!」
「私はやっぱり跡部様かなぁ。」
「やぁだユキってば高望みしすぎぃ!!」
「美和ちゃんだってそうじゃんっ!」
「きゃははは!ま、私は断然忍足くんだけどぉ!」
「人のこと笑えないよねぇ!きゃはは!」
クラスメイトのファンクラブ会員様方と一緒にテニス部を見に行く事になった。そう、以前私が所属していたグループだ。佳菜子、美樹と行動を共にするようになったからといって、彼女達と縁が切れたわけではない。新しい学校という慣れないであろうといって声を掛けてきてくれた、心優しい子達だ。
そういえば、テニス部にはファンクラブがあるらしい(笑)ファンクラブには幾つかルールっていう物があるらしいんだけど、彼等が高校生になって些か寛容になったそうだ。
けれど彼等に彼女が居ようと居まいと彼女達には関係ないのだ。いや、そりゃ居ないほうがいいんだけど。彼女達は彼等テニス部のファンだ。最早奴らはアイドル。割と手に届く所にいるから、いつまで経っても諦めきれないのだろう。跡部くんに至っては宗教だ。信者が盲信すぎて怖い。
これだけのイケメンが近くにいたら、ファンにもなるし、もしかしたらと期待する。好きな人の為に化粧、お洒落という努力を惜しまない彼女達は素晴らしいし、可愛いとも思う。行き過ぎた嫉妬はどうかと思うけれど。
過去のマネージャー虐めとか、彼女さん虐めとかの噂を聞いたときは女って怖い、と他人事のように思った。必要以上に話していると目を付けられたりするらしい。危険な芽は早めに摘んでおけってか。最近は大分落ち着いている、とも聞いた。”大分”っていう部分がどうかと思うけれど。
「「「跡部様ーっっ!!」」」
「「「忍足くん頑張ってぇー!!」」」
「「「向日くぅーん!!」」」
応戦席なんてバカみたいな設備に座り、周りに合わせて歓声を上げる。部員は慣れっこなのか、特に反応をする事無く黙々と練習が進んでいく。実力が全てというところもあり、レギュラーの殆どが一年。実力主義なところは気に入っている。
彼等の”超次元サッカー”ならぬ”超次元テニス”には幻術の類なのだろうか。そこは気になるが、恐らく解明は出来ないだろう。だって、未だに忍術の解明だって出来ていないし。きっとその世界の生きる手段としての必要科目なんだろう。ハンターの世界なら念、時代物ならば刀、黒バスならバスケ…。そして、鳴門ならチャクラ。例外は居ようとも、彼等には彼等なりの突出した部分がある。影の薄さ然り体術然り。
「キャーッ!今跡部様と目が合ったぁ!!」
向日くんはどうした。
「忍足くんがコッチ見たぁっ!!もーカッコいいっ!!」
あれ、宍戸くんは?
山の天気以上に移ろいやすい彼女達の気持ちに笑みを浮かべつつ、今日も目一杯楽しむ。
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