イタズラとシンドリア

ハロウィン当日。王宮内には至る所にカボチャや装飾品が飾られ、普段と違った雰囲気が演出されていた。
そんな中を途中出会ったマスルールと二人、軽く話をしながら歩いていると前方にハロウィンを満喫中の三人を見つけた。

「トリックオアトリート!」
「お菓子くれなきゃイタズラしちゃいます。」
「はぁい、ハッピーハロウィーン。」
「美味そう!ありがとなユキ!」
「ありがとうございますユキさん。」

満面の笑みを浮かべるアリババくん(あれ、あの衣装ってシンのでは…)と、分かりにくいが嬉しそうにしているモルジアナに、ユキは先日大量に作っていた”クッキー”というお菓子を渡していた。
ユキの作るモノは勿論美味しいのだけれど、お菓子一つであれだけはしゃぐ二人を見ていると心が和み、自然と口元が緩んだ。

「ふふ、あの二人を見ているとこのようなイベントも悪くないですね。」
「そうっスね。」
「あ、見てくださいマスルール。あちらではシンが実行しているみたいですよ。」

アリババくん達から目を離し、遠くに見えたシンを見る。そこにはふざけた…仮装をしたシンと何人かの女官が楽しそうに笑っていた。

「トリックオアトリート!」
「あっ、申し訳ありませんシンドバッド様…。今のでお菓子を切らしてしまって…」
「そうか、なら仕方ないな。」
「え?」
「悪戯、だな。」
「「「きゃぁぁぁっ」」」

うわぁ。

「シンを見ていると大人の汚さがよく分かりますね。」
「はあ。」
「まあ、ハロウィンに参加するのって基本子供ですからねぇ。大人はお菓子あげる側ですぅ。」
「ユキさん。」
「あぁ成る程。では実際にシンドリア全体でハロウィンをやる際には、子供に限定するなどしたほうが良さそうですね。」

いちゃつく王と女官達から目を反らし、辺りに視線を巡らす。

「さてシンは放っておいて…。おや、アラジンですよ。二人と一緒に行動していないかと思えばあのような所に。」
「あぁ、ほんとっスね。」
「あー…」

ユキの反応に内心首を傾げるが、アラジンを見て納得する。

「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃイタズラしちゃうよ!」
「まあアラジン様、今切らしてしまいまして…。すぐにお持ちしますね。」
「ダメだよおねいさん!そういう時はイタズラって決まってるんだから!!」
「えっ?あっ、ひゃぁぁぁあっっ!」

子供だけに限定しても、こんな子供ばかりだったら問題だらけだ。思わず頭を抱える。

「…」
「…」
「…」
「少し考えさせて貰えますか。」
「ですよねぇ。」







アリババくんはシンドバッド成りきりセット。ユキちゃんは楽だから暗部の格好でお面付き。
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