銀時ver.A
※擦れナルシカ in銀魂 銀時A
それは苦ぁぁぁぁい二日酔いの薬の差し入れから数日後。
珍しく立て込んだ仕事が漸く落ち着き、気が急くままに件の薬屋へと向かった。
「おいおいどういう事ですかァこのヤロー。なんでヅラよりも銀さんの方が後な訳?」
不躾に扉を開け、ズカズカと声を張り上げながら店の奥へと進む。どうせ俺が来ることも分かっていてのあの伝言なんだから構わねぇだろう。
奥に居るであろうシカマル、もしくはナルトに文句を言いながら店の奥へと進む。
伝言の翌日に会ったヅラのあの得意気な顔を思い出して青筋が浮かぶ。殴っておけばよかった。
「しかも一年以上前からだっていうじゃねぇか。ふざけんなよ、な……」
奥のカウンターに居る人物を見て思わず言葉を飲み込む。
…し、知らねぇ女だったァァァ!!シカマルでもナルトでもなかったァァァ!!!
目を見開いて此方を凝視する女に冷や汗が流れる。そりゃビビるよな突然知らない男が文句言いながら入ってきたらよォォォ!!!
「……
「………ぎ」
「ぎ?」
叫ぶのかと思った時、その女は踵を返して暖簾を掻き分け、店の奥へとバタバタと逃げて行った。
あまりの勢いに俺は呆気にとられ、やっちまったと思いつつ肩を落とした。
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「あぁ、何事かと思ったら銀時か」
銀さん来たァァァァァァ!!!と店の奥でユキが静かに叫んでいるのを、器用だなと思いながら横目に見つつナルトは店に顔を出した。しかし先程の失態が抜けなくて、銀時は手を額に置いたまま項垂れている。
「俺ァ通報されるのか?脅迫か?脅迫になるのかコレ?」
「何言ってんだってば?」
「いやいやいやそりゃ俺が悪ぃよ?でもよぉ、まさか違う奴だとは思わねぇだろ」
ブツブツと項垂れる銀時をナルトは呆れた表情をしながら頬杖をついて眺めた。相変わらずだなぁと数年振りの再会を感慨深く感じる。まぁ話をしていないだけで、江戸に居る事もどこに住んでいるのかも知っていたのだからそこまでの懐かしさは無いが。
ふと何か思い当たる事があったのかピタリと言葉を止めて銀時が顔を上げた。
「なぁナルト、さっきの姉ちゃんってもしかして…」
「あ?あぁ、ユキだけど」
「やっぱりか…」
昔よくナルトとシカマルから聞いた名前。そして、ほんの一時村塾に居たことのある女だった。とある雨の日、どこからか突然現れた女で、ほんの数日で消えた人物。
もう少しまともな再会を想像してたのだが、やってしまったらものは仕方がない。
「あー、怖がらせて悪かったって謝っておいてくれ」
「あぁ、大丈夫大丈夫。荒ぶってるだけだから」
「荒ぶる?荒ぶるってどういう状況?そんなに恐慌状態になってんの?」
銀時がひくりと顔を引き攣らせていれば、茶でも飲むか?とナルトが茶色の粉を湯呑みに入れて湯を注ぐ。
おいそれ茶じゃなくて薬湯だろと抗議の声をあげるが、ナルトは我関せずにまぁ座れとカウンターに併設している椅子を勧めた。
昔からよく飲まされていたその味に銀時は眉間に皺を寄せる。美味しくはないのだ。
「で?」
「あ?」
「…なんで俺より先にヅラに会ってる訳?」
「気持ち悪ぃ言い方すんなってば彼女か」
「彼女じゃないですぅ。お兄ちゃんですぅ」
「誰がお兄ちゃんだ誰が。どっちかといえば俺らの方がお兄ちゃんだから」
「いやいやお前ら年下だからね?銀さんの方が年上だからね?」
軽口を叩きつつも若干恨めし気に銀時はナルトを見る。
「まぁ、特に理由は無ぇんだけど」
「だろーな。分かるか?ヅラに勝ち誇った顔をされた時の俺の気持ち」
知るかと笑いつつ、ナルトは茶を啜る。自身の分は普通の煎茶だ。薬湯は好んでは飲まない。美味しくはないので。
「シカマルは?」
「今日はちょっと出てる。夕方には帰ってくると思うぞ」
「アイツから伝言聞いて来たんだよ。ウチのメガネに会ったんだろ?」
「らしいな。俺もユキも丁度居なかったんだよな」
ユキがすげぇ悔しがっていたなと頭の隅で考える。何故か自然な出会い方を演出したいらしいのだ。
ふとユキが近寄ってきている事に気がついた。気配を完全に消していないので、紹介しろとアピールをしているようだ。ハイハイと内心ため息を吐きつつナルトは銀時を見やる。
「ユキもそろそろ落ち着いたと思うぜ。会ってくだろ?」
わくわくと期待を隠さずにすぐそこで待機しているユキ。ギクリと分かりやすく狼狽えた銀時は項垂れながら白旗をあげた。
「…今度ガキども連れてくるからその時じゃだめか?」
ガーン!!!!と衝撃を伝えてくるユキに苦笑をこぼしたが、銀時は銀時なりに理想の出会い方があったのだろうと思う。まぁそれは木っ端微塵となったようだが。
「まぁ、なるべく早くしてやってくれ。…俺もシカもちゃんと紹介したいしな」
リョーカイ、と額に手を当てて項垂れた銀時の姿に、本当に相変わらずだなぁと笑みをこぼした。
ーーー
その数日後。
ユキと街中を歩いていた際に、身包み剥がされた状態の銀時がゴミ捨て場に捨てられていた。
接触しようとするユキに、流石にこの出会い方は不憫だと思って静かに首を横に振った。
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