行ってらっしゃい!
今日は珍しく早い時間に出掛けるという夫の言葉通りにいつもより早めに起こして、朝の支度を急かす。眠気にうだる夫に声をかけ続けながら何とか玄関までたどり着いた。朝からどっと疲れてしまった
『ほらほら、コルサさんシャキッとしてください』
「ん゛ー……」
唸るコルサさんにまさかと思いコルサさんの額に手をあてる
『頭痛が酷いんですか?熱はないみたいだけれどお薬を飲んで行きますか?』
「いや、違う」
コルサさんは額にあてた私の手をとって自身の頬へ運んだ
「私の可愛いなまえをこんなに早い時間から1人にしてしまうのが忍びなくてな……」
むむ、と眉を寄せる可愛い夫に心臓がきゅう〜と情けない音を立てる。だそれはそれとして本当に時間が危うい。さっさと行かせなければとコルサさんの薄い唇に軽く口付ける
『でしたら急いで帰っていらして。
でも、急いで事故にでもあったら嫌ですからね。気を付けて行ってらっしゃい』
「アバンギャルド!!!!!!!急ぎ戻ってくる!」
大きな声でいつものを叫んだ夫は駆け出すように扉をくぐって行った。元気なひと。
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