微睡みの縁をなぞる
夜中、胸元に違和感を感じてふと目を覚ますと見慣れた赤髪が暗闇に溶けていた。背に回された血管の浮く腕が少し痛いくらいに私を抱きしめていて、私の胸に埋められた顔に息はできているのか少し心配になる。
帰ってきたんだ。お疲れ様。先に寝ちゃってごめんね。おかえりなさい。
伝えたいことは沢山あるけれど、今は寝かせてあげよう。


目にかかる程に伸びた髪を撫でるとまた悪夢でも見ているのか皺の寄っていた眉間が緊張を解き、表情が穏やかなものになった。


わかり易くて可愛い私だけの独歩さん。


『おやすみなさい、良い夢を。』


夢でまた会いましょう
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