▼【砂漠の雨】
◇クロコダイル渇く。いくらこの右手で水分を得ようと、いつでも身は渇いていた。
「んー? 鰐さん、今日も一段と不機嫌そうですねぇ」
「失せろ」
「あらあら。やだやだ。怖ぁい怖ぁい」
「この手で吸い尽くすぞ」
死を与える手をちらつかせると、彼女はにっこりと笑って、クロコダイルの手を取り、愛おしげに自分の頬へと当てた。
「貴方の体内に私の身が消え去るだなんて、なんてロマンチックなんでしょうねぇ」
笑う彼女は生意気で、そのまま頬を引き寄せて、その煩い口を塞いでやった。
がさがさとしたクロコダイルの唇とは真逆に、彼女の唇は潤っていた。
(ふふ。ご機嫌なおりましたぁ?)
(黙ってろ)