彼はまだ眠っている。ユースとベルドリトはにやにやと顔を見合わせた。
ゆっくりと近付き、彼が眠っている寝台の隣になった。
ニィと笑ったユースが彼の腹にぴょんと飛び乗ろうとした瞬間、バッと目を開いた彼が寝台の上で素早く寝返りを打ち、ユースを避けたあと、ユースの首根を掴み上げた。
「何をする」
「うぅ…、イェスパーに新年明けましておめでとうの言葉をかけたかったの…」
「やっぱり兄貴は気付いちゃったかー、残念だったね。ユースちゃん」
肩を落とすユースとベルドリトを、イェスパーは溜め息で答えた。
「普通に言葉をかけろ。敵襲かと思ったぞ」
「「ごめんなさーい」」
「じゃじゃ、兄貴も起こした事だし、ニョニョっとお菓子パーティーでもしよっか」
「こら。ベルドリト」
反省した表情をコロッと満面の笑みに変え、イェスパーの寝台に飛び乗ったベルドリト。
ユースもイェスパーに下ろして貰い、寝台に膝と尻をつけてぺたんと座っている。
ベルドリトの持ってきた缶チューハイとユースの持ってきたお菓子が寝台に広げられる。
イェスパーは溜め息と共に弟と妹分にチョップを落とした。
「「い、ったい!」」
「俺は任務明けで疲れているのだが?」
「だって…ユースちゃんが兄貴と一緒にいたいって…」
「わ、私の我が儘…なんだけど…」
しょぼんと表情を暗くさせる2人。眉根を寄せたイェスパーが少しだけ弱った表情を見せた。
この2人にはどうにも弱いようだ。
「……少しだけだぞ」
わかりやすくパァと笑顔を浮かべるユースとベルドリト。
イェスパーは苦笑を零しながら近くにいたユースの頭を撫でた。
嬉しそうなユースを見ながら、そういえばいつもの眼帯をしてない事に気が付いた。
そしてこの2人の前では、それが必要ないということも知っていた。
(じゃあ、乾杯!)
「ユースはノンアルコールだ」
「ぷー。ベルくんが成人してるだなんて認めなーい!」
「兄貴と双子なんだよ〜って言ったら?」
「……うん…認めてあげる」
「おい」