「ユース。どうだ? 気に入ったか?」
「はい。とっても可愛いです!」
「? ユースちゃん、るげるげ何貰ったのー?」
「えへへー、洋服を沢山貰ったの。凄く可愛いよ」
「あれ、今日なんかの日だっけ」
「桃の節句、女子の日だろう」
「なんだか誇らしげだね、ヨーカーンさん。
 でもるーきゅっと普通ちらし寿司食べて終わりでしょ」
「何を言う。ユースだって我の可愛い可愛い娘だ」
「ヨーカーンくんって時折凄いくらいに親バカさんになるよね」
「猊下様! 見てみてー、大賢者様から頂いたんです!」
「よかったね。では、はい。私からも。お菓子でよければ」
「結局、モルディーンも渡すじゃないか」
「だってユースちゃん、可愛いから」
「んもんも、みんなユースちゃんに甘すぎだね…」
「ヨーカーンくんは桃の節句以外にも、正月、バレンタイン、猫の日、ホワイトデー、こどもの日、海の日、誕生日、ポッキーの日、聖夜の日、大晦日。とユースちゃんにプレゼントをあげているよね」
「ちょっと待って、猫の日と海の日とポッキーの日って何!? なんかおめでたい日だっけ!?」
「大賢者様、いつもありがとうございます」
「ユースのためだからな」
「甘すぎだよ、ヨーカーンさん! ユースちゃんに何でも買ってあげすぎ!」
「だが、ベルドリトの兄、イェスパーも四季折々に髪飾りを買い与えているではないか」
「……うん。まぁ、そうだけど、それはそれで違うっていうか…」
「向日葵の髪飾り、気に入ってます」
「秋になれば何になるかな。イェスパーくんは律儀だからね、またきっと秋の花をくれるよ」
「…あー、ダメだここ。ユースちゃんが我が儘になりそー」
「ベルくん、お母様みたい。大賢者様がお父様」
「……………色々怖いからばびばびやめてね」
「あ。イェスパーくんが来た」
「ユース、今日は桃の節句だろう。受け取ってくれ」
「わぁ、桃の花がついた帽子! 可愛い!」
「てか兄貴もプレゼントあげちゃうんだ!? 俺、びっくり!」
「ユースには世話になっているからな――――ッ。どうしましたかヨーカーン殿…?」
「別に。我の前でユースにプレゼントとは度胸があるようだなと思ってな…」
「ヨーカーンくん、それ嫉妬っていうんだよ? 知ってる?」
「もしくは親バカだよ、ヨーカーンさん」
「……俺に他意はありません」
「………ないんだ」
「ユースを泣かしたな?」
「濡れ衣です、ヨーカーン殿!」
「あ、2人とも喧嘩はダメだからね!」
「「…………」」
「ユースちゃんって結構最強だよね。どう思う? ベルドリトくん」
「みんな1回、ユースを甘やかしすぎなのに気付いたらいいと思う」
「でもベルくん、昨日香水くれたよね」
「あ、ちょっ、ユースちゃん、しーっ!」
「ベルドリトも甘いではないか」
「………えへv」


そして皆でユースを囲みながら笑みを浮かべる。

「みんな、ありがとね」

彼女の1言だけを聞くために。


(貴方に桃の花を)


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