白熊くんとお茶しよ!
この学園のソーレクラスには一人一人自分の部屋が与えられている。
姫はルチアなのでソーレの中でも一際大きな部屋だ。
ソーレが部屋を与えられている理由は個人の勉強を更に効率よくさせるためだった。
例えばナミは航海術のトッププロとして有名で、その航海術をもっと詳しく勉強するために個人の部屋を世界中の地図で埋め尽くし、すでに資料室状態になっている。
それは与えられている部屋の一部であって大多数は姫やロビンとのおしゃべりのためにソファーなどを設置しているが。
姫はシャワー室をつけてテニスの着替えをしたり、ここで勉強をしたり、生徒会の資料を作ったりと教室と同じくらい活用しているため紅茶やソファーなど普通に暮らせるくらい快適に部屋を整備している。
「ごめんね、先生が近くまで来てたみたいだから…ベポくんが今この時間にソーレの校舎にいたら怒られてしまうと思って……本当にごめんなさい」
「い、いいよっ!オレこそありがとう…どうすればいいかわかんなかったから」
「よかった……この時間が終わったらトラファルガーくんのところまで送るね。
紅茶、好き?実はこっそりクッキーも持ってきてるんだけど…」
「食べたい!」
「じゃ、ちょっと待ってて」
無邪気に頷くベポになんだかルフィが重なって微笑ましかったので小さく笑って紅茶を入れる。
棚に置いていたクッキーをお皿に乗せて、紅茶のカップも用意した。
完全にティーセットを用意してテーブルに持っていけばさっきまで落ち込んでいたベポの顔が一気に明るくなる。
「おいしそう!」
「どれもおいしいんだよ」
「いただきます!」
ぱくり、と食べておいしい!と顔を綻ばせるベポに姫は嬉しそうに笑い返して紅茶に口をつける。
ぱくぱくとテンポよく食べていくベポに可愛い、と内心愛でながら姫も一つだけクッキーをつまんだ。
「姫さんはいつもここにいるの?」
「さん付けしなくてもいいよ。……ううん、時々しかいないよ。大抵は生徒会室か教室」
「そうなんだ…なら、簡単に遊びに行けないね…」
「教室にきた時にまたおしゃべりしようね」
「アイアイ!」
生徒会室は生徒会の人間以外は入れない規則になっている。
ベポは生徒会役員じゃないので姫には会いにくいと思ったのだろう。
元気な返事に再び姫は楽しそうに笑うと紅茶を啜ったのだった。
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