1
「Happy birthday 美瑠」
「Graze!」
1 ただいま!
あれから約10年…私は今日で23歳になる。
今思うと色々なことがあった。
ヴァリアーと後継者争いをして…私は一年間イタリアに帰り、ヴァリアーのみんなと一緒に過ごした。
…主にザンザスの秘書だったけどね。
暗殺はもうしたくない、という私の意見を尊重してくれたから。
簡単な任務をこなして、少し鈍っていた銃の腕も元に戻せた。
それからまた日本に帰って、私は恭弥やツナ達がいる並盛高校に転入した……
高校では本当に滅多に経験できなそうなことを体験したし……
「美瑠」
「ん?」
「何思い出してたの?」
ネコがすり寄るようにぴったりとくっつかれる。
恭弥の体温が温かくて、こてんっと頭を恭弥に預けた。
肩に手を回されて、軽く抱き締められる。
「もしかして、あの時のこと?」
「…うん」
「…あの時ほど、辛かったこと、ない」
「うん…辛かった。でも、おかげで“今”がある」
でしょ?と笑うとうん、と返される。
顔が見えなくてもわかるんだよ?今恭弥は…笑ってる。
見えてないのに、どんな顔して笑ってるのかわかる私は、ずっと恭弥の側にいたことを示せているようで嬉しくて……思わず微笑んだ。
目を少しつぶると、あの頃のことが鮮明に思い出される。
今となっては……
いい思い出だから……――
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