運命
世は戦国…様々な思惑と戦いが世を蔓延る中、闇が深まれば深まるほど妖の世界は大きくなっていった。
しかし、その大きな力を束ねる妖がいた。
――「奴良組 総大将 ぬらりひょん」
そして、そのぬらりひょんには二人の跡取りがいた。
若頭筆頭、奴良鯉伴。ぬらりひょんの息子だ。
強大な力をもちながら女遊びが激しく、ぬらりひょんの自由さをさらに色濃く継いだ妖怪だった。
若菜という人間と婚姻し、二人の間に生まれたのが若頭候補の奴良リクオ。ぬらりひょんにとっては孫にあたる。
父親とは似ず、とても真面目だが、…人間の血を色濃く継いでおり、妖怪の力は使えなかった。
「どちらを継がせるかのぉ…」
それが、ぬらりひょんの大きな悩みの種だった。
――ところ変わって、ある国の城の中。
ある殿が両腕を組み、苦渋の表情を浮かべながら目を瞑りじっと黙っていた。
そんな殿、…彼女にとっては父親を桜は優しい笑みを浮かべて「父上」と殿を呼んだ。
「仕方ありませぬ。この家を守るためにはわたくしが人質として参るのが一番でしょう」
「…だが…そなたは私の大切な一人娘だ。大切なそなたを一人京になど…」
「父上。わたくしにも父上やこの国のみなを守らせてくださいませ」
「桜姫……、っ…すまぬ…」
「謝らないでください。桜は、幸せですから」
ふわり、と笑って「明日、発ちます」と頭を下げる。
彼女は桜。ある国の一人娘だが、彼女には不思議な力があった。
彼女には生まれつき、未来を見る力があった。
その力を欲したお上はその国を攻め…人質として桜を出すように言い出したのだ。
運命はここから始まる。
四人の運命を大きく動かす、物語……
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