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「でも今はちゃんと…心のこもった目で見てくれています。嬉しいです…」
「聖…ごめんさ」
嬉しそうに笑う聖にラビは申し訳なさでいっぱいになった。
聖はちゃんと『ブックマンJr.』としてではなく『ラビ』として見てくれていたんだ。
でもオレは無意識のうちに記録対象として見てしまっていた……
「でも、なんで聖の髪と目が黒いんさ?」
まるで日本人…、日本人さ。
ラビの言葉に聖は微かに目を丸くし、気まずそうに眼をそらした。
「っ…それは……」
「オレも気になるな」
突然介入された低い声。
二人は振り返ると「ユウ」と彼の名前を呼ぶ。
…その言葉に神田は不愉快そうに眉を顰めたが。
兎、オレのファーストネームを呼ぶんじゃねぇ、と。
ぎっと睨むとラビを睨むと同時に目に入った風に目を丸くする。
「お前…たしか昔…」
聖と一緒に旅してた奴……
聖を守るように、護衛のようにくっついていた奴だ。
怪訝そうにする神田に風は優しい笑みを浮かべた。
「お久しぶりです、ユウ様」
「なんでお前まで…」
「…それは、」
神田の疑問に風は困ったような表情をすると下を向き言葉をにごす。
聖も同じように逡巡していたが、決心したように顔をあげた。
「風…全てを話す時が来たようです」
「聖様!?」
「話さなければ。ユウ、ラビ、事情はちゃんとお話しします。
ですが…コムイさんも一緒にお話ししたいのです」
「つまり教団に帰ってから…てわけか」
「はい。…ごめんなさい」
「いいさ!じゃ、早く帰ろうぜ!聖の気が変わらないうちに!」
「ふふっ、そうですね。風、ありがとうございました」
「お礼を言われるほどではありませんよ」
ふわっといなくなる風。
同時に黒い髪が金髪に変わっていく。
その変化に二人は驚きながらも口には出さない。
…きっとこのことも”秘密”に関わっているであろうことは容易に想像がついたからだ。
「では、帰りましょう」
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