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――コンコン
朝早くにも関わらず、司令室のドアを叩く音がする。
もちろんコムイが呼んだ人物であり、コムイは来たねと微笑み、書類から目を離した。
書類を踏みつけながら入ってきたのはこの教団唯一の日本人エクソシスト神田ユウだ。
「悪いね。朝早くから」
「今度の任務はどこだ」
「その前にちょっと待ってね」
もうすぐ来るはずだから、と言うコムイに神田は悟ってしまった。
あぁ、またあいつと一緒か、と思わず苦笑が漏れる。
するとコンコンっと再びドアが鳴る。
「コムイー…おはよー…眠すぎるわぁ…」
といいつつ、服装やメイクは完璧。
目をこすりながら入ってくる幼い姿は、誰もこの教団のトップである大元帥だとは思わないだろう。
コムイは苦笑しながら申し訳なさそうに微笑んだ。
「すみません。急ぎの任務でしたから」
「いいわよ。これが私の仕事だから」
先ほどの眠そうな声が嘘のようにはっきりとした口調でそう断言し、神田の隣に座った。
「ユウちゃん、おはよう」
「…おう」
素っ気ない答え。
でもこれが神田なりの最高の挨拶の仕方だとレティシアはわかっていたので微笑んだ。
これで人数はそろった。―*コムイは再び空気を変える。
「今回の任務地はドイツです。
ドイツ北部にある森林地帯のダンケルンという村なんですが、最近、その村に行った人が帰ってこないらしいんです。
『帰らずの森』という噂が立っており、イノセンスによる怪奇現象の可能性があるのでファインダーを三人、調査に向かわせました。二日目のことです」
「二日前…ね」
「ダンケルン村は森の奥にありますが、ファインダーはその森の手前にあるミッテルバルトという町から目的地に向かうという連絡が入ったのを最後に消息不明です」
消息不明、という事実にコムイの目が鋭さを増した。
レティシアはやはり有能な室長ねと感心しつつ耳を傾ける。
「これが細部の地図になります。
ドイツに着いたらまずミッテルバルトに向かってください。
森には一本道があり、谷に着くと古い石の橋がかかっています。
橋を越えれば、ダンケルン村です」
「わかったわ」
「この森がどうも引っかかるんですけど…古来、森には不気味な伝説がつきものだから…」
「ほとんどがでたらめだけどね。でも用心することに越したことないわ」
「はい。今すぐドイツへ向かい、ファインダーの救出に当たってください」
「わかった」
「わかったわ。行ってきます」
神田は早々に団服を翻し、司令室を出て行く。
レティシアもふわりと団服をおどらせてその後を追った。
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