見えないようにキス
会社の飲み会はそう多くない。
久々の飲み会でひたすらお酒を傾けている上司であり、私の恋人であるリヴァイを見る。
…うーん、やっぱりイケメンだなぁ……
さっきまで総務の子が話しかけていたけど、全然相手にしてなかった。
その様子を見て安心といえば安心だけど…直属の部下であるペトラと楽しげに話しているを見るとやはり少しざわつく。
…我ながら部下に嫉妬するとは、心が狭い……
「おー!飲んでるか!?」
「わっ!?…もージャン、飲み過ぎじゃない?」
「あー!?飲まなきゃ損だろ!!」
がしっと肩を組まれて愉快に笑うジャンに苦笑する。
…全く…調子にのったらすぐこれなんだから。
お前も飲め!!とグラスを持たれてはいはい、と宥めながら水を頼む。
「お前さぁ…彼氏とかいないわけ!?」
「え!?いや、それは、」
ちらり、とリヴァイの方を見る。
…リヴァイはそんなことに気づかず、エレンと話している。
もう…どう言ったらいいのか……
いっそのこと「リヴァイが彼氏だ」と言えたらどんなに楽か……
だけど、職場恋愛を公表していいことはない。へたに妬みをかうだけだ。
困ったように言いあぐねていると、ジャンは何故か大きな声で笑い出した。
「はははっ!!!いるわけねぇよな、お前に!悪りぃ悪りぃ!!」
「はいはい、いいですそれで」
「あぁ!?んだよそれ!仕方ねぇなー枯れたお前の彼氏になってやってもいいぞ!」
「は!?お断りだから!!」
「遠慮すんなよ!」
馬鹿じゃないの!?遠慮じゃないし!!
そう言って私は席を立ってトイレに逃げる。
…全く…ジャンの悪ノリには困る。
あんな会話、リヴァイに聞かれたら何て言われるか……
…。…想像できない。一体何て言うのかな……
「姫」
「…あ、リヴァイ…先輩…」
会社の人に聞かれていては、と慌てて先輩をつける。
周りには人がいないようで少しだけ気持ちが緩んだ。
お疲れ様です、とだけ言ってその横を通りすぎようとしたが、突然リヴァイに腕を掴まれて壁に押し付けられる。
え!?とびっくりする暇もなく合わさる唇。
何度も角度を変えて口づけてくるリヴァイに抵抗する力もなくなる。
「…んっ…ぁ…リ、ヴァイ…っ」
「…んな欲しそうな顔すんな」
「だって…っ」
「あんまり俺を煽るな」
男にも近づくな、触れさせんな、隙を見せるな。
お前は、オレのものだろう。
「…ん、リヴァイ…」
「このキスは二人だけの秘密だがな」
その言葉にドキリとしたのは、仕方ないよね。
見えないようにキス
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