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「今日、暇?」

「え?」




恭弥さん、いつもながらもう少し詳しくお願いします。




23 夏祭りは大騒動





「夏祭り?」

「うん。毎年僕らが仕切ってるんだ」



お茶をしながら去年の話を聞きつつ、その仕事内容を把握していく。
それにしても…そんなことまで風紀委員が仕切るなんてびっくり。

日本の夏祭りといえば、花火に屋台に浴衣。
とても賑やかで、楽しいってお祖父さまから聞いたことがある。
イタリアのお祭りも楽しいけれど、それとはまた違うんだろうな…!




「美瑠も風紀委員だからね。一緒に行ってもらうよ」

「うん。そういうことなら」




そう頷きながら緩む頬は抑えきれない。

恭弥とお祭り行けるなんて…いくら委員会活動っていっても嬉しい。
…なんていったら恭弥は「遊びに行くんじゃないよ」って怒るかな。

委員会活動なら制服じゃないといけないだろうし…浴衣は着れないよね。
それが少しだけ残念だけど、仕方ないことだ。

そんな私の心情を悟ったように「でも、美瑠は浴衣ね」と恭弥はお茶を飲みながら言った。




「え?制服じゃないの?」

「…僕が美瑠の浴衣姿見たいだけ」

「……っ」




かぁっと自分の頬が熱くなっていったのがわかる。

…うん、恭弥のために目一杯おしゃれしなくちゃ!
そういえばディーノから浴衣がプレゼントに届いていたはず。
きっとディーノはこれを予想してくれていたんだよね。
あとでお礼の電話をいれておかなくちゃ。

がんばろう、と一人意気込んでいると恭弥はその様子に笑ってから、集合時間を伝えたのだった。

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