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「犬―!」
「やっときた!おそいっつーの!」
「だって学校だったんだもん」
美瑠とあってからどれくらい経ったのかわからない。
毎日のように会って、笑って、話して、同じ時間を過ごした。
いつでもお互いを想いやり、ケンカなんて一度もしたことなかった。
毎日が楽しくて仕方がなかったんだ……
「今日はどうだったんら?」
「んーっと…ディーノの同級生にすごくうるさい人がいて、その人がやたらからんできた!」
「誰そいつ!?オレが殺してくるびょん!」
「そこまでしなくていいよ!実はいい人で、天然で可愛いんだよ」
「…美瑠、そいつのこと好きなの?」
「ん?うん!好きだよ」
「そいつ殺すびょん!!」
美瑠に好きって言われたびょん!!!
オレだって言われたことねぇのにー!!
「な、なんで!?犬も、千種も、骸もみんな好きだよ」
「ぎゃん!!な、なんなんら!?それ!」
みんな好きって友だち!?友だちとしてってことれすか!?
いや、俺はいいんだけど、骸さんとか美瑠を友達以上に見ている。
その態度はあからさまで、少しぐらいそういう目で見てもいいはずらのに…それが、全く感じられないなんて。
そんな信じられない気持ちがぐるぐると回っていく。
「何って…みーんな好きってことだよ?」
「オレが言ってるのはそういう意味じゃねーびょん!」
「…?」
美瑠…鈍感すぎるにも程があるびょん。
…美瑠は恋とか、好きな人とか、そういう経験がないのだろうか。
イタリアにいると美瑠の年頃にはボーイフレンドの一人や二人いるのが当たり前だ。
あまり意識したことはないが、日本人のハーフであり、ボンゴレの姫として大切に育てられている。
これが、箱入り娘、ってやつかもしれない。
ここまでくるともうこれ以上言う気持ちもなくなる。
「もーいい…」
「今千種みたいだったよ」
「オレは柿ピーみたいにベリーもっさい帽子かぶってねーびょん!」
「誰がベリーもっさい帽子なの?」
「ぎゃー!出た―――!!」
いつの間に後ろに立ってたんら!?
つーか気配消して後ろに立つな!!
そんな驚く俺の隣で美瑠と柿ピーはほのぼのした空気を醸しながら「こんにちは、千種」「…ん」なんて会話していた。
それもそれでむかつくびょん!!
きぃー!と騒いでいれば、
「…犬、うるさいよ」
「うるさくねーびょん!骸さんは?」
「まだ来ないと思う」
「そっか…」
柿ピーの言葉に美瑠が寂しそうに目を伏せる。
きっと俺や柿ピーじゃ見せない顔。
やっぱ骸さんが一番みらい……
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