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あれから私も恭弥も完治して、また風紀の仕事を始めた。

帰ってきたとき風紀委員の先輩達が出迎えてくれたのは…いうまでもなく、迫力一杯で。
そして『群れるの嫌い』な恭弥がこの出迎えを許すはずなく……


バキィィィィ!!!



『きょっ、恭弥!!』

『群れるな』



咬み殺されてしまいました。

後で私が手当てしたけどね…

そんなこんなで日常が戻ってきました。




「恭弥、見回りの時間だよ?」

「行こうか」

「了解しました!」



こうして見回るのも久しぶり。
街の皆さんが恭弥を見て怯えてるけどね…

でも前よりは反応がましになったと思うんだ!
だってね、前はお店の中にみんな入っていってたんだよ?

それくらい、怖がられてたの。


(最近は美瑠のおかげで雲雀が少し、ほんの少し優しくなったから)



「…群れてる」

「普通に帰ってる人達だよ!咬み殺すのは悪いことしてる人達だけ」

「…しょうがないね。今回は見逃してあげるよ」



相変わらずなんだから、と苦笑しつつも街中を歩いていると。



「あれ?美瑠さん?」




小さく聞こえた、私を呼ぶ声。

声のした方をふり返ると、一人の男の子が立っていた。
もちろんその人とは面識がある。
久しぶりに会えたので思わず顔を輝かせてその子に駆け寄った。




「正ちゃん!」

「お、お久しぶりですっ!」



気弱そうな男の子。
私に正ちゃんと呼ばれたのは…昔リボーンの家に不運にも来てしまい、散々な目にあった―――入江正一くん。


その時、私と出会ったのだ。



「久しぶり!元気だった?」

「はい!美瑠さんも、お元気そうで」




少し控えめに笑う。そんな正ちゃんに美瑠が笑顔で頷いた。
しかし突き刺さる視線に気がつき、二人とも軽く振り向く。

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