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恭弥……恭弥…っ!

逢いたい…逢いたいよっ!!

でも、ザンザスがこんなに優しい目で、私を見ている……

本気、なんだ……

(それでも私は恭弥を重ねてしまう…)



「…誰を想ってる?」

「え…」

「今、違う奴のこと考えてただろ」


ザンザスが私を鋭い眼光で射抜く。
見透かされている…全部。



「雲雀恭弥か?」

「…っ!どうしてその名前…!!」



名前を聞いただけでドキッとする。
どうして、ザンザスがその名前を知っているの……
名前を聞いただけなのに、顔が赤くなって…胸が苦しくなる。

そんな私の反応に、ザンザスは小さく目を伏せた。



「…雲雀恭弥と付き合っているっていうのは本当だったんだな」

「っ!!」


付き合ってる……
そうだよ。私は、恭弥のこと、愛してる……

愛してるけど…っあの勅命文……――ダメ。愛してたらきっと…っ



「まだ、そいつのことが好きなのか?」



ザンザスの言葉が、苦しい。

好き…好きなんてものじゃないよっ!私の大好きな、たった一人の人。

言われれば言われるほど、私の中に恭弥への想いが溢れる。

それでも、この想いは封印しなきゃいけない…っ



「…そうなんだな」



黙り込んだ私に無言は肯定だと思ったのか、ザンザスは私から視線を逸らした。

――ズキン…ッ

そんな顔、しないで…傷つけちゃった…よね……

視線をそらしていたザンザスが、強い瞳で私を見つめる。



「そいつのことは忘れろ。オレが、お前を振り向かせてやる」

「………」


無理だよ…私にザンザスには悪いけど……私の心の中から絶対に消えない。

この気持ちを…忘れることなんてできないっ…!

(封印しなきゃいけない想いだって、わかってても)



「ボスーいるー?」

「!カス共が帰ってきたな」

「みんな…」

「…また明日な」

「……うん。おやすみなさい」



みんなが来る前に部屋を出て、ドアをしめる。

結果がドアごしに聞こえる……京子のお兄さん、勝ったんだね。
明日は、レヴィとランボみたい。
…ランボ、棄権してくれればいいけど。

(明日の試合も気になるけど)
(ザンザスの言葉が頭から離れないの…)

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