2



始まりは…大空。



39 初代と月




「いたぞ!」

「そっちだ!!」


銃声、怒鳴り声。
すべてが交じり合った裏町で、一人の少女が逃げ回っていた。

理由は…彼女の能力の、せい。

もちろん彼女も充分にわかっていた。だからこそ、逃げ回っているのだ。
裸足で走っていたせいか足からは血がにじみ出ている。

でもそんな痛さなんて考えてられなかった。

捕まれば…どうなるか、なんて想像したくないくらいだから……

ぎゅっと強く手を握って、また走り出す。
走って…走って……走って。走り続けると、小さな丘に出た。

息切れがうるさい。でもまだ走らないと…捕まる。

そんな恐怖が体を襲うが体力的にもう、走ることは無理だった。



「はぁっ動いってよっ…!私の、体っ!!」


いくら叫んでも、自分の限界を超えることは無理で。
ついには木の下で倒れてしまった。

見上げれば…星と、月。

綺麗…私が、醜く見えてしまうくらい……

…もう、どうなっても、いい……
ここで死んでも、どうせ私のために泣いてくれる人なんて…――

いないんだから………



「大丈夫?」

「……え…」



諦めて閉じかけた目を、再び開く。
そこにはハニーブラウンの髪に、優しい眼差しを持った青年。

この人…誰…?

- 238 -

*前次#


ページ:

back
ALICE+