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始まりは…大空。
39 初代と月
「いたぞ!」
「そっちだ!!」
銃声、怒鳴り声。
すべてが交じり合った裏町で、一人の少女が逃げ回っていた。
理由は…彼女の能力の、せい。
もちろん彼女も充分にわかっていた。だからこそ、逃げ回っているのだ。
裸足で走っていたせいか足からは血がにじみ出ている。
でもそんな痛さなんて考えてられなかった。
捕まれば…どうなるか、なんて想像したくないくらいだから……
ぎゅっと強く手を握って、また走り出す。
走って…走って……走って。走り続けると、小さな丘に出た。
息切れがうるさい。でもまだ走らないと…捕まる。
そんな恐怖が体を襲うが体力的にもう、走ることは無理だった。
「はぁっ動いってよっ…!私の、体っ!!」
いくら叫んでも、自分の限界を超えることは無理で。
ついには木の下で倒れてしまった。
見上げれば…星と、月。
綺麗…私が、醜く見えてしまうくらい……
…もう、どうなっても、いい……
ここで死んでも、どうせ私のために泣いてくれる人なんて…――
いないんだから………
「大丈夫?」
「……え…」
諦めて閉じかけた目を、再び開く。
そこにはハニーブラウンの髪に、優しい眼差しを持った青年。
この人…誰…?
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