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「そう……、…会えて嬉しいよ」




ニコリ、と笑った郁織からはもう動揺なんて見えない。
相変わらずその辺だけは度胸のある子……
私は嬉しくないし、嘘もつきたくなかったからわざと応えず、沢田綱吉に向き直る。




「ボス、顔合わせは終わりましたよね?…帰ります」

「待って。そのボスっていうの、やめて」




あと、敬語も。似合わないよ、と笑う沢田綱吉に口角をつり上げる。
さっきの郁織の笑顔と比べて…私の笑みはなんて皮肉げで可愛くない。
きっと…雲雀さんも、そう思ってる。

(いまさら雲雀さんを気にするなんて、バカげてるけれど)




「…では、なんてお呼びすれば?」

「ツナ。もしくは綱吉。あと敬語ね」

「……仕方ないから、綱吉。
では、一部の方はよろしくお願いします。失礼します」




一部の方、というときリボーンと骸、ランボくんの方を見る。
リボーンは私にとって仕事のよき…パートナーだし、骸は大切な友人で、ランボくんは…なんとなく、邪険にできないから。

そして、他の人と「よろしく」する気はまったくない。
寧ろ今日の顔合わせ以降、ずっと会わなくていいと思ってる。

…仕事上、綱吉だけは無理だけど。

そのまま背を向けてドアを出る間際、郁織の方を一瞥する。
その時の郁織の表情は、




とても憎しみに満ちた表情だった。
(どこまでも貪欲な子ね)

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