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「――……っ、」

「誰…?」




私にだけは、女の私にだけは、わかる。
明らかに敵意の持った瞳、疑心の目、…嫉妬の、目。
郁織の目にはそんな色が浮かんでいる。

きっと雲雀さんも沢田綱吉もリボーンも、誰も、気づいてなんかない。
同姓の…郁織の本心を知っている私だけが、知っている。
郁織の言葉に沢田綱吉は笑みを浮かべて私の肩に手を置いた。




「彼女、わからない?
この子は空翠徠。今日からボンゴレの専属ヒットマンになったんだ。
中学の時、郁織ちゃん仲良かったと思うけど…」

「…翠徠…?え、本当に…?」

「うん、本当だよ」




信じられない、とばかりに目を大きく見開いて私を見つめる郁織。
そうだろうね…昔はあんなに地味だった私が今はヒットマンなんてしてるなんて。

本当…間抜けな顔。

ふ、と冷笑して沢田綱吉の手を払い、郁織の前に立つ。




「久しぶりね?…郁織」

「久し、ぶり…どうして、」

「ヒットマンになってるか?…元々、そういう家系なの」




面白い、可笑しい、面白い。

手に取るように郁織の動揺がわかる。
そんなにびっくりした?
そうよね、十年前…貴女にとって私は優越感だけを与えてくれる玩具だったんだから。
沢田綱吉曰く、貴女は雲雀さんの秘書。
それは書類上の立場であって…本当は彼女兼『秘書』。

そう…秘書、だ。ただの、秘書。非戦闘員。

それに対して私はボンゴレ専属ヒットマン。リボーンと同じ地位。
つまり…私の方が地位が上、ということ。
貴女にとっては屈辱でしょうね。
玩具が貴女より地位が上になって戻ってきたんだから。

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