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バンッと扉も乱暴に開けて不機嫌さも露わに帰ってくれば部下達がどんどん道をあけていく。
不機嫌なときの私に話しかけると自分がどうなるかわからない、ってわかっているから。
そういえば前に空気の読めない部下が話しかけてきて、一度半殺しにしてしまったことがあった。
それを知っているからみんな黙って道をあける。
荒々しく自分の部屋に戻り、すぐにシャワーを浴びて何度も鎖骨の所を洗い流す。
あぁもう気持ち悪い。まだ感覚が残ってる気がする。
何度も何度も洗い流して、赤くなるまでこすればやっとあらぶっていた自分の気持ちが収まった。
はぁ、と一息ついてシャワー室から出ると綺麗にたたまれた着替えが置いてある。
それをさっさと着こなすと髪を水が滴らないように上げて部屋に出た。
のろのろと疲れた足を引きずってベッドにダイブして、睡眠。
もう眠い……本当に、私よくここまで我慢したよ……
偉い偉い、と自画自賛しながら眠りに落ちていった。
―――それから、どれくらい経ったかわからない。
ふわり、と意識が自然に浮いてゆっくり目を開ける。
カーテンも閉めた部屋の中だからか薄暗くて今夕方なのかお昼なのかさえもわからなかった。
けだるさの残った体を起こしてのそり、とベッドから降り、時計を見上げると、あ、と思わず声を漏らす。
今お昼の3時だ……帰ってきたのが…あぁもうそれも忘れた。
とにかく4時間は寝たかな……
ふわぁ、と欠伸を漏らしてとりあえず内線を繋ぐ。だってお腹すごく空いてるから。
『はい』
「翠徠だけど。何か作って」
『かしこまりました。…そういえばお嬢様、お客様がいらしてましたよ』
「お客?…誰?」
『えぇっと確かボンゴレの…』
「…今は逢いたくないって言っておいて」
『は、はい。わかりました』
ぷつっという音と共に内線が切れて、私は静かに電話を元に戻した。
ボンゴレ、なんて…今一番聞きたくない言葉。
しばらく仕事断ろうかな…面倒だし。個人の依頼も溜まってるし。
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