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ちなみに個人の依頼はボンゴレに害をなすような仕事は受けなくなった。
前は簡単にボンゴレの傘下のマフィア…といっても小物だったけど、依頼さえあれば躊躇なく殺してた。
でも一応私も専属になったのなら、引き受けないようにしなきゃいけない。
本当…これで仕事減ったらその分ボンゴレからたくさん貰おうかな。

はぁ、とまた溜息。…もう何この重たい空気。
重たい気持ちをどうにか晴らしたくなって、私は部屋を出て庭に出ることにした。
庭には部下達が私のために植えてくれた花がたくさんある。
そこは私の癒しの場所でもあるから……

玄関まで歩いていると誰かの話し声。一方はこの屋敷にいるにしては幼い声。
一体誰が?と首を傾げていると聞き覚えのある声に駆けだした。




「翠徠様は逢いたくないと…」

「…そう、ですか…わかりました…」

「まって、ランボくん!」

「…!翠徠さん!」




まさか、まさか、ランボくんがくるなんて思わなかった。
ボンゴレと聞いて頭に浮かんだのはあの特殊暗殺部隊の人達やリボーン達で。
…正直今あの人達と会話したくなかった。

だから帰るように言ったけど…ランボくんは違う。
彼はマフィアらしさなんて全くない、なんだか邪険にできない子。
少しだけ私には眩しいけど、とてもいい子。

私が駆け寄ってきたことに部下が驚いていたけど無視してこんにちは、とランボくんに挨拶する。
するとランボくんはさっきまでの哀しそうな、寂びそうな表情から一転笑顔になってくれた。



「ごめんね、まさかランボくんが来るとは思わなくて…」

「いえ、オレも急に来たの悪かったので…!」

「どうしたの?何か私に用事があった?」

「用事、といいますか…お茶に誘おうと、思ったんです」

「え……?」




ランボくんは照れているのか少ししどろもどろになりながらそう呟いた。
軽く頬が赤く染まっているのが可愛くて。
乱暴にキスしたりしてくる人達とは大違いね、と微笑ましく思えた。
そういう年じゃないけど「お姉さんが何でもしてあげるわよ?」って言ってあげたい。
私が精神的に大人なせいもあるけど…ランボくんも年下の癖が抜けないみたいだから余計に。
きっとそんなことを言ったらランボくんは「オレ男なのに…」なんて言うんだろう。

それがまた、可愛いんだけど。

ビアンキが年下の男の子にハマる理由がわかるわ。
…リボーンにあれだけ惚れる理由はわからないけどね。




「あ、あの、無理ならっ…」

「ふふっ、無理じゃないわ。
まさかランボくんにお茶に誘われるなんて思わなくて。
でもこの前約束したものね。…そうだ、私の部屋で一緒におやつ食べない?」

「えっ!?いいんですか?」

「えぇ、どうぞ」




ニコ、と笑ってワンピースの裾を翻す。
隣にいた部下に「シェフにお茶の用意をさせるよう、伝えてきて」と頼むのも忘れず。
すぐにキッチンへ向かった部下の背中を見届けてランボくんを振り返ると困ったような顔をしていた。
どうしてそんな表情をするのかわからなかったけど、こっちよ、と歩き出すとランボくんは私の隣に並んで歩き出す。

そういえばこうやって誰かをお茶に誘ったこと、骸と髑髏と犬と千種以外ないな…
こんなに簡単に招き入れてよかったのかな。…別にいいか。ランボくんだし。
あの下心のある人達とは違う。
私の部屋、他より少し豪華な扉の前に立ってドアを開ける。




「失礼します…」

「そこに座っていて」

「はい」




適当に私のお気に入りのソファーに座らせて仕事の書類をとりあえず片付ける。
いくらランボくんでもこの書類を見せるわけにはいかない。

ランボくんは少し落ち着かないようでどこかそわそわしていた。
もしかして女の子の部屋に入ったのは初めて…なわけないか。
確か5歳くらいのとき綱吉の家に居候してたって聞いてたから。

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