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「私、雲雀さん――恭弥さんと付き合うことになったの」
ごめんね、と謝罪の言葉を述べているはずなのに、彼女は全く悪びれもなく。
寧ろ嬉しそうに、勝ち誇ったように笑う彼女に、あぁまたか、と心中で呟く。
“雲雀さんが好きになった”
そう先に言ったのは私だった。……言うべきじゃなかった、のに。
“翠徠の話聞いてたら私も好きになっちゃった。だから私達、今からライバルね!”
嘘つき。私のこと同等に思ってないくせに。
私より自分の方が可愛いって思ってるのは知ってるんだよ。
“あ、恭弥さん!”
嬉しそうに駆け寄っていく、彼女。
そんな彼女を優しく見つめ返す、雲雀さん。
……あんな目を、私は知らない。
ズキリ、と心臓が軋んだ。
……ううん、そんなものじゃ、ない。
そんな容易な痛みなんかじゃなく、針が心臓全てに突き刺さっているような、そんな苦しくて、泣き叫びたいほどの、痛み。
その場から逃げ出したかった。
だから私は、目立たないように生活して、そして、
―――私は、中学を卒業し………
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