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あれから10日間、ほとんどボンゴレの仕事をキャンセルして自分の好きなように過ごしてきた。
何度もリボーンや綱吉、山本武や獄寺隼人がきたみたいだけど……無視して。

今日も好きな時間に起きていつものように家の仕事をこなす。
少し派手目の赤い着物に身を包んで書類に書き込んでいると内線が入る。
あぁまたボンゴレが来たとかそういうのかな。
面倒、だけどそろそろそっちの仕事もしないと溜まってるかもしれないわね。
仕方なく筆を置くと電話の方に歩き、受話器を持ち上げた。




「はい」

『お嬢、お逃げください!』

「は?一体何の騒ぎ?」

『ボンゴレの沢田綱吉と雲雀恭弥が…っ『やぁ、空翠徠。久しぶりだね』

「…雲雀さん……」




どうやらサボりすぎてもっと面倒なことになってるみたいだ。

きっとさっき受話器越しに打撲音が聞こえたから電話してきた部下は殴られたんだろう。
……生きてるといいけど。まぁ死人が出たら報復するだけだけどね。
こう見えてもファミリーは大切にしているから。

そういえば外がとても騒がしくなってきた。
きっとこっちに向かってきているんでしょうね。
そのたびに部下達が傷ついているのなら……面倒とか、そんな考えなんて関係なくなる。




「今すぐ大人しくしてください。でなければ貴方達の命は保証しかねます」

『君が出てきてくれれば問題ないよ』

「…わかりましたから、今すぐ大人しくしてください」

『いいよ。ただし5分だけだ』




なんて短気、と思ったけど仕方ないと息をついて受話器を置いた。
5分なら着がえる時間はない。
仕方なくこのままの格好で自分の愛刀だけを背中に背負い込む。
これはいつも持っている私の真の相棒だから……
赤い着物のまま玄関に向かっていけば倒れている部下達。

…派手にやられたわね。
彼らに立ち向かうなんて……いえ、この場合勝手に彼らが攻撃したんでしょうけど。
お嬢、と意識のある部下に呼ばれ大丈夫なの?と近寄る。




「すいません……侵入を許してしまい…」

「いいわよ、それより傷を見せなさい」

「いえ、これくらい、」

「黙って見せなさい!」

「は、はい!」




部下についているのは火傷と打撲痕。
この傷…綱吉にやられたみたいね……

私はリングを指にはめて晴の匣を取り出し、そのまま開口する。
私の波動は大空属性だからどんな匣も開口できる。大空属性の大きな特徴の一つだ。

炎と共に出てきたのは綺麗な澄んだ蒼の羽を持った鳥。
小さな体だけどこの子の再生能力はとても優れているから重宝している。
お願いね、と頭を撫でてあげると気持ちよさそうに眼を細めて部下の周りを飛び始めた。
この子が周りを飛ぶだけで傷はどんどん癒えていく。

まるで……幸せを運ぶ青い鳥のように。

一通り治療して動けるくらいまで回復させるとその部下に医療班を呼ぶよう命じてすぐに玄関まで急ぎ始める。
予定より遅くなってしまっているから…大人しくしているといいけど。

玄関に近づくと黒スーツの二人が武器を仕舞い、その場に立っていて一応はその姿に安心する。
よかった……一応約束は守っているのね。

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