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――――十年前……
「おーいダメツナー!これ片付けとけよー」
「う、うん…」
五時間目が終わり、体育の時間が終わるとみんながオレに片づけを押し付けて帰っていく。
…まぁオレがいるせいで負けたんだからしょうがないんだけどさ……
はぁ、と溜息をついてぽつん、と一人残されて寂しいグラウンドで片づけを始める。
放課後だからか殆ど人なんて通らない。…本当に、一人。
友だちも、誰も、いない。
オレはどうせダメだから友だちなんてできないんだろうけど。
ガリ、ガリ、とトンボがけを黙々としていれば日はどんどん傾いていく。
…グランド広いんだよなー……これ、終わるかな……
この広さに溜息をついて、もういいや、と引き上げることにする。
だって到底一人じゃこの広さは無理だし、面倒だし。
そう思ってトンボをおろしたとき…
「沢田君、大丈夫?」
「え……?」
静かなグラウンドに響いた透き通るような、綺麗な声が響き渡る。
その声から女の子だということに気がつくと勢いよく振り向いた。
…あ……同じクラスの…空、さん。
彼女は、不思議だ。
彼女には失礼だけど…あんまり目立つタイプじゃない。…友だちの海さんは派手だけど。
気付いたら隣にいて、気付いたら助けてくれるような、そんな人。
あんまり綺麗じゃないんだけど…綺麗。む、矛盾だと思うけどさ…!
なんていうか…彼女の本当の姿はもっと違うんじゃないかって思う。
彼女は帰りがけなのか制服にいつものように眼鏡をかけて近づいてくる。
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