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どうしてだろう、なんて考えちゃいけないわけ?
小さく、いや大きく、わざとらしく溜息をすると彼の黒い目が私に向かう。
口元には、楽しそうな笑みを浮かべて。
「なんだ、そんなに嬉しいか?」
「どうやったらそんな解釈になるのよ、リボーン」
オレ的解釈、と喉を震わせて笑うリボーンにもう一つ溜息。
ここはリボーンの部屋じゃなくて、私の本家の部屋。そう、私の部屋。
なのに任務から帰ってきた私が部屋のドアを開ければ、「おかえり」と当然のように私のソファーに座ってエスプレッソを飲んでいるリボーンが目に入った。
いや、おかえりじゃないでしょ。なんでいるわけ?
そう聞きたかったけど、とりあえず着替えたかったから隣の部屋に入って着物に着替える。
今日は軽い水色と薄い桜色の着物に桃色の帯で纏めた。
…着替えている途中、リボーンが見ていたことに気付いて色々と投げたのはいうまでもない。
あの変態、と悪態をつきつつ部屋に入ると我が物顔でくつろいでた。
……だから、ここ、私の部屋…!
「…リボーン」
「ん?何だ?あぁ、やっぱりお前着物似合うな」
「どうも あ り が と う !
ていうか、どうしてここにいるの?ここ、私の本家なんだけど」
「あぁ、お前に伝えたいことがあってな」
漸く本題か、と私はリボーンの座っている真向かいのソファーに座る。
…それに少し不満そうな顔したのは見なかったことにしよう。
リボーンはいつものように長い足を優雅に組み直して、じっと私を真っ直ぐ見つめた。
「今度、同盟ファミリー同士のパーティーがある。お前にオレのパートナーとして同伴して欲しい」
「無理」
「…そういうと思ったぞ」
苦い顔してそう呟くリボーン。
なら、なんで私にわざわざそう言うのよ。
私は基本的にパーティーが嫌いだし、できれば出席したくない。
理由はリボーンも承知しているし、今までパートナーとしてではなく同僚として、つまり男として出席していたことも知っている。
だてにリボーンと長くいるわけじゃないから。
なのに今回に限ってどうしてまた女装して行かないといけないの?
面倒の上にリボーンの愛人に見つかれば私は八つ裂きの刑だ。
いや、下手したら八つ裂きの刑どころじゃないかもしれない。…死刑?笑えない。
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