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リボーン、という私の言葉にも応じず、無言を貫き通す彼。
一体何なの、と思っていればボンゴレの屋敷の使われていない部屋へと入っていく。
バタンッとドアが閉まり、真っ暗な空間が私の視界を支配した。
「…リボーン…?」
「なんでだ?」
「え……?」
「何であの男にきっぱり断らなかった?」
どさり、と放り投げられたかと思えば柔らかな感触が背中を刺激する。
その感触に私は嫌でも投げ捨てられた場所がどこかわかった。
床でも、カーペットでもない……ベッドの上、だ。
ギシリ、とリボーンが私を組み敷いてベッドが軋むのがわかる。
見上げたリボーンの表情は――――少し、哀しそうだった。
怒りでもなく、呆れでもなく、…悲しみ。
ぐしゃりと歪むその表情が意味することは、嫌でもわかった。
「……お前は、残酷だ」
「――……、…知ってる」
「わかってるなら……もう少し拒絶を覚えろ」
ちゅ、とわざと音をたてて少しはだけた首元に唇を触れさせる。
時々リボーンのざらり、とした舌が這って、声があがりそうなのを必死で堪えた。
きゅっと唇を固く結んでいると気付いてしまったのかリボーンが唇にキスを落とす。
何度もバードキスのように触れるだけのキスを繰り返して私の唇を弛めさせた。
次第に弛む唇にリボーンは何度も角度を変えて口内を荒らし始める。
ねっとりとした舌が暴れ回って、絡め取られる舌を拒むことはできない。
ずっと夢中でキスをしていたけど、途中でゆっくりリボーンの唇は離れていって。
少し乱れた、色気を漂わせる甘い声で苦しそうに呟いた。
「…拒絶、しねぇのかよ」
「……しないわ。貴方だもの」
「…っ、それが、残酷だって言ってんだ」
リボーンは一つだけキスを唇に落とすと体を起こして私から離れる。
……抱かれてしまうことを、覚悟していたから少しだけ意外だった。
きっと今頃会場は誤解の渦に巻き込まれているだろう。
綱吉が上手くフォローしてくれるといいんだけど……その可能性は絶望的。
私も倣って体を起こすとはだけてしまったドレスを着直す。色々と誤解を招きそうだから。
髪の毛も綺麗に纏め上げるとリボーンが手を差し出してきた。
「行くぞ」
「…うん」
その手に再び手を重ねて二人してゆっくりした歩調で歩き出す。
何も言葉が出ずに、無言で。…まるで気まずい、みたい。
そうでなくても気まずいのかもしれないけど。
長い廊下を無言で歩いていれば突然、後ろに気配を感じた。
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