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綱吉は郁織を冷たく見下ろして、淡々と呟く。…当然のように。




「裏切りは許さない。それがこの世界だ。
……さて、白蘭。オレらのお姫様、返して貰おうか」

「嫌って言ったら?」

「力ずくだ」




その声を合図に綱吉の拳が白蘭に向かう。
白蘭はそれをなんでもないように避けて綱吉から距離を取り、楽しげな笑みを浮かべた。

応戦するつもりなのか、スゥッと冷たい瞳をたたえながら。
その隙に雲雀さんが私の鎖をトンファーで断ち切ってくれ、やっと起きあがることができた。

……未だに震える体が、鬱陶しい。
虚勢を張るように無言で愛銃を拾い上げてガチャリ、と安全装置を外す。

それは私が戦うという、合図。
雲雀さんはわかっているのかその銃をやんわりと下ろさせた。




「やめとけば。…体、震えてるよ」

「大丈夫です」

「……強情だね」




好きにすれば、と呆れたように、でもどこか諦めたようにそう言った。
私は精神を一気に統一させて恐怖…いや、感情を全て閉じ込める。

大丈夫……慣れている、お得意でしょ?

そう言い聞かせれば次第に感情が遠のいていくのがわかる。
ふ、と一つ息をつけば完璧に感情を忘れることができた。




「……あーあ。流石翠徠チャン。もう立ち直ったんだ。これじゃお遊びもここまでだね」

「お遊び…?」

「そう♪じゃ、綱吉クンに雲雀チャン、それに翠徠チャン。またね」

「…!」



ニコッと笑った同時に白蘭から大空の炎が放出され、



彼の姿は跡形もなく消え去っていた。
(お祭りの始まり♪という声を残して…)

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