番外編2



雲雀さんに手を引かれ会場を後にする。
でも今の私は真っ赤になった顔を隠すのに精一杯で。
雲雀さんに手を引かれるがままにその後についていく。
でもその足は途中で雲雀さんの自室に入っていって、ドアを閉められるのと同時に壁を背に抱き締められた。



「雲雀さん…?」

「姫は、僕の、だから…」

「え、えっと…」



そんなこと面と向かって言われたら恥ずかしいんですけど…!

そうも言えず、私はそっと雲雀さんを見上げれば黒い切れ目と視線がぶつかる。
はっ、と息を飲んで、それが合図のようにゆっくり雲雀さんの顔が近づいてきた。
私は合わせるように目を伏せ……

……あ、れ…?

こてんっと雲雀さんの丸いふわふわとした頭が私に寄りかかる。
そして耳を擽る、小さな寝息。

もしかして…寝て、る…?



「…お酒の匂いもするし…酔ってたんだ……」



だから、あんなに積極的だったのね、と苦笑を漏らす。
雲雀さんは普段から好き、とか愛してる、なんて甘い言葉は言わない。

…キスは、よくする、けど……

多分雲雀さんは口下手なんだと思う。
恥ずかしかったりするんだよ、やっぱり。
そんな雲雀さんがあぁやって…お酒に酔った勢いだったとしても「僕のだ」って言ってくれて嬉しかった。



「…好き、です、雲雀さん…」



寝てる時くらい、言ってもいいですよね…?
恥ずかしくて小さく笑ってそう呟く。



「…僕も……すき」

「……っ…」



やっぱり、すごくすごく、恥ずかしい!
これでもか、ってくらい赤くなって、体が沸騰するくらい熱い。
ぎゅっ、と抱きつけばねぇ、とはっきりとした声が。

あれ…?はっきり、しすぎじゃない…?



「もう、我慢できないんだけど」

「雲雀さん起きて…っんっ」



私の言葉を遮るように雲雀さんは甘い甘い口づけを落とす。
何度も角度を変えられて、私はついていくので精一杯で翻弄されるばかり。

も…私、気絶したいです……
(恥ずかしさのあまり!)

長いキスをおえ、やっと唇を離してもらえる。
もう私の力なんて抜けていて、くたり、と雲雀さんに寄りかかった。



「…君が、あんまり可愛いこというから」

「起きてる、なんて、聞いてません……」

「言いそびれてた」

「…ずるい、です」



むっ、と睨めば優越感いっぱいに笑われた。

…悔しい。
でも、本当に悔しい、って思ってない自分もいる。



「もう知りませんっ」



ふいっと顔を背けて部屋のドアを開ける。
雲雀さんは楽しげにクスクスと…でも私にもわかるくらい私を愛しそうに見つめるから、どうしようもなく胸がいっぱいになって。

ドアを閉める間際、振り向き、



「悔しいくらい大好きです…、恭弥」

「え…」



ぽかん、と驚愕で目を見開く雲雀さんにしてやったり、とニッと笑ってドアを閉める。
たまには私が優位にたっても、いいよね?



(待ちなよ、って後ろから聞こえて、抱き締められるまで)

(あと、一秒)

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