「この前オリエンスで近くの夏祭り行ってきたんだけどさ〜春ちゃんたちいたよね?」
「あ〜おったなぁ」
>たち?
「春ちゃんとライ!春ちゃん浴衣似合ってたねぇ」
>春ライで夏祭り!?
>デートやんそれは
「あっまだ春ちゃんたち言ってなかった?!ミスったか〜!」
「ええやろ。まあ春ライ遭遇話っちゅうことで!」
赤城の言葉に早さを増すコメント欄を見つめながら緋八は頬杖を着く。おそらく緋八しか知らない。いや、緋八にしか見せないようにしたのだろう。相方の酷く鋭い一瞬の瞳。そしてその男の手中に収められた女の子。
口の中で真新しい呼び名を転がして、無意識に片眉を上げた相方の顔を思い出した。結ばれた手のひらは重っ苦しい鎖が下がっているような、赤い糸を纏ってるような、曖昧でちぐはぐ。まさか自分にまで牽制の矢を向けるって、なあ?
「取ったりなんかせえへんのになぁ」
呆れにも似た、期待にも似た。そんな感情が緋八の胸をいっぱいにした。どうか、相方の恋が実を結ぶ日が来ますように。
「ほんなら本日はぁ〜?」