ドライブしようよ1
「BBQとかどう?」
「暑くね?」
「どこ行ったって暑いよ」
「室内で食ったら暑くねぇよ」
「まあね…そうですけど…」
「いや、別にいいけど、行く?」
その言葉は、一字一句違わずに出かけることが決まった時も聞いた。そんなに乗り気じゃないけど、私に合わせるときの優しい問いかけ。別に今日じゃなくてもいいから、明日暑さがマシだったら行こうよ。と言って、差し出された左手にペットボトルのキャップを開けてから渡すと、サンキュ。と前を向いたまま微笑む横顔がかっこいい。
夏だし、ドライブ行こう。とせがんだのは、イブの運転姿を見たいのが8割、残りはなんとなく、夏っぽいことがしたくて。連休だし。頼み倒せば渋々了承してくれて、日帰りでも良いって言ったのに、気付けば宿も決まって、レンタカーの手配も終わってた。何でも頼めば困りながら許してくれるし、そういう段取りも上手なの、損な性格してるね。返ってきたペットボトルのキャップを閉める前に私も一口飲んだら、自分のあるだろ。と咎められる。いいじゃない、飲みたかったんだもん。オレンジジュース。
「流石に海入るって言わんよな?」
「言ったらどうする?」
「そうねぇ、帰っちゃおっかなあ」
「今から?」
「おん、Uターンして帰るわ」
「高速でUターンは死ぬって、そんなに嫌?」
「まぁじで嫌だねぇ〜」
流石に入るとは言わんよ、お気に入りの水着も持ってきてないし。海へ行こうとは言ったけど、目的はそこじゃないから、あんまり日焼けはしたく無いし。
そろそろ海が見えてくる頃だろうか、山に阻まれていた視界が開けて、太陽が顔を出す。真正面で堂々と光る太陽に少し目を伏せてサンバイザーを下ろして、見えてきたぞ。とチラリと海の方を見て私に伺う。正直な事を言えば、見えてきた海よりもこの横顔の方が見ていたい。この男、サングラスも似合うだろうな。海の近くに売っていたら買ってあげよう。
🌃🚗💨
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