STAGE.14
「ア・ナ・タ」
「ん〜‥?」
「起・き・てvV」
朝。
――――バキッ!
屯所内に、鈍い音が響いた。
「てんめ総悟、何しやがんだ」
「そらァこっちのセリフでィ、名無しくん」
寝起きドッキリに失敗した名無しくんの目元には、沖田が下した制裁の痕として、くっきりと青アザが出来上がっていた。
「このオレの顔を傷物にするとかマジありえねー」
「‥‥‥‥」
アザを押さえつつ文句を放つ名無しくんを軽く無視して、沖田は制服へと着替えている。
「ッたく、姉上に言われて仕方なく起こしに来てやったのにマジ最悪」
「最悪なのはこっちでィ」
――――ガチャ
「え、ちょ、何?」
「グッバイ名無しくん」
沖田が構えたバズーカの銃口は目前に迫っていた。
眼光鋭く、その指が引き金を引こうとした時、
『きゃあぁぁぁ!!』
また別の場所で、悲鳴が響いた。
「「!」」
遠くから聞こえた声に反応した二人はその場を駆け出した。
「今の声、姉上だ」
「どこに居やがる?」
「確か、洗濯物を取り込むって中庭に」