STAGE.6
AM7:00
暖かいお味噌汁に白いご飯を用意して、焼き魚と玉子焼きを人数分テーブルに並べる。
美味しそうな匂いが漂う中、起きてきた隊士たちで段々と賑わっていく食堂。
「おはよう、名無しさんちゃん」
「今日も元気だねェ」
『はい、おはようございます』
朝の挨拶を交わしながら、隊士たち一人一人へお味噌汁とご飯をついで渡していく。
何気に皆は規則正しく、決められた時間に集まってくれるので女中としてはありがたい。
ただ、そんななか私の手を煩わせる人物が約一名。
隊士全員が席についてご飯を食べ始めたことを確認してから、食堂を出ると、その人物の部屋へと向かう。
目的の場所に到着して襖を開けると、静かに寝息を立てている幼なじみの姿があった。
『総悟、起きて』
相変わらずふざけたアイマスクを装着して、起きる気配は全くなしだ。
(布団で寝る時もアイマスクつけてるなんて、怖いんですけど)
総悟はどうも朝が弱いらしい。
今まで、起きたくないと言う理由だけで朝食をほとんど食べていなかった。
それを見兼ねて毎朝起こすようになったのだが、これが中々に手強くて‥‥
『総悟ー起きてー』
軽く肩を揺すってみる。
「‥‥‥‥」
反応なし。
『起きなさーい!!』
今度は強く肩を揺すってみる。
「‥‥‥‥」
やっぱり反応なし。
ダメだ、やっぱり正攻法では絶対に起きないよこの人。
申し訳ないけど、多少の痛みは味わってもらわないと。
そう思ってスッと上げた右手を勢い良く振り下ろした、瞬間、
『‥‥!』
その手がグイッと引き寄せられ、体制を崩した私は総悟に覆い被さるように倒れ込んでしまった。
鼻!
鼻打った!!
慌てて両手をついて総悟の胸を押し退けようと試みたけど、寝惚けているらしく私の腰を掴んで放してくれない。