STAGE.9
3回戦目。
土方さんVS銀さん
すでに飲み比べという勝負を開始していた2人は、ベロベロに酔っ払った挙げ句、真剣で「斬ってかわしてジャンケンポン」なんてものを開始した。
しかし、お互い全然違う方向見て勝負していて土方さんなんて定春相手にジャンケンしてるけど、どんな酔い方してんだ。
そんな訳で、全試合無効となりました。
『‥‥え、何コレ?』
呆れて立ちつくした私に「こちらにおいで」と山崎さんが声を掛けてくれた。
誘導された場所には新八くんやお妙さんたちがいて、こちらはこちらで花見を楽しもうってことらしいです。
「名無しさんちゃん、でいいかしら?」
隣に座るお妙さんが話し掛けてきて、ニコリと笑ってくれる。本当に綺麗な人で、何だか緊張してしまうほどだ。
『あ、はい。初めまして、お妙さん』
「フフ、そんなにあらたまらなくていいのよ。歳も近いようだし、仲良くしましょう」
そんな優しい言葉を掛けてもらえて嬉しい限りです。
周りに男性ばかりの私にとって、何だかこの触れ合いはすごく新鮮で『是非お願いします』と交際を申し込むかのように深々と頭を下げてしまった。
もちろんお妙さんは笑ってくれたけど、いくら歳が近くても呼び捨ては出来ないかも。うん、気分的に。
「弟さんなんですってね」
名無しくんのことを言われているようで、お妙さんの目線の先を辿ると何故か横たわる人物が目に入った。
手に持つお猪口からは入っていたであろうお酒が零れているところを見ると、おそらく一口の飲酒ですでにダウンしているという状態だろう。
いや、だから早くね?!
『‥‥バカな弟です』
ちょっと恥ずかしくなって恐縮の表情を浮かべると、
「うちにもバカな弟がいるから気にしないで」
「姉上、僕目の前にいるんですけど」