STAGE.9
途中で、バトルを中断させた総悟と神楽ちゃんが花見の席に乱入してきた。並べられたお弁当をギャーギャーと啀み合いながら食べ終わると、すぐに立ち上がってまたバトルを再開させる。
まぁ、ほどほどに。
次いで酔っ払った銀さんも絡んできた。
「じゃあ、女性陣には酌してもらおうかぁ‥‥ヒック」
『あの、銀さん飲み過ぎです』
面倒だったけど、言われるがままに銀さんが持つお猪口にトクトクとお酒を注ぐ。
赤い顔で「いいんだよ、いいんだよ」とか言いながら、私の肩に腕を乗せてきて心底ウザイ。
オヤジのセクハラですか、コノヤロー!
『ちょ、銀さん、近っ』
ドゴォ!!
「大丈夫?名無しさんちゃん」
『‥‥‥‥はい』
私が文句を言う前にお妙さんの鉄拳が銀さんを昇天させた。額からは煙が立ち上ぼって、白目を向いている銀さん。
とりあえず、冥福を祈ろう。
「オイ」
一難去って、また一難。
第二の酔っ払いが私の隣にドカッと腰掛けてきた。
そういえばこの人いつも私のこと「オイ」としか呼ばないけど、熟年夫婦ですかコノヤロー。
ちゃんと名無しさんって名前があるんだよ、この瞳孔開きが。
なんて、考えながら無言でお酌をしていると横目で睨まれていることに気付き、ピッと固まってしまった。
『‥‥‥‥』
「‥‥お前、俺のこと避けているだろう?」
『え?』
土方さんの突拍子もない質問に、思わず声をあげてしまった。
避けてる?
いや、避けてると言えば総悟の忠告通り二人きりになるのは極力ご遠慮させてもらってるけど。
「あぁ?どうなんだよ、テメェ」
まるでチンピラのように詰め寄ってくる土方さん。酔って目も座ってるし口調もへべれけだし、怖いよ。
と言うか、
『それ、お妙さんです』
「ウフ」
ドガァン!!
お酒のせいとはいえ、あろうことかお妙さんに絡んでしまった土方さんは銀さんと仲良くご臨終。
とりあえず、冥福を祈ろう。
「まったく、危ない人たちばかりね。怖いわ」
フゥ、とため息を吐いて深刻そうな表情のお妙さん。
「いや、危ないのはアンタだよ」
その言葉に新八くんか鋭いツッコミを入れるが、もちろん私はノーコメントで。
ひらひら桜の花びらが舞って綺麗な景色を満喫しながら、楽しい時間は過ぎていった。
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ガタッ
「あれ、ココはどこだね?名無しくん君」
「分かりません坂田隊長」