STAGE.11
『浴衣?』
名無しくんがプレゼントにと用意したものは、淡い紫色の花柄があしらわれた綺麗な浴衣だった。
「今度、お祭りがあるでしょ?その時のために今年の新作をご用意しました」
『お祭り?』
「鎖国解禁二十周年の祭典です。小物もすべて揃えてますから、準備はオレに任せてくださいね」
『え、でもそんな高価なもの貰えないよ』
品の良い和紙に包まれたそのプレゼントは明らかに高価に見えて、とんでもないと名無しさんは首を横に振る。
「オレがしたいだけですから、気にしないでください」
『‥‥でも、』
「大丈夫ですよ。それより夕食の準備、途中でしょう?」
戻るように言われて、渋りながらも名無しさんは台所へと戻って行く。
その後姿を笑顔で見送りながら、名無しくんが口を開いた。
「総悟」
「あ?」
「姉上の浴衣姿見て、鼻血吹くなよ」
「誰が」
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「ん、どうしたトシ?こんな所に立って」
「あ‥いや‥‥」
しばらくはトラウマ(笑)