STAGE.1

STAGE.12

「あ、いや、俺も、悪かった‥‥し」


言葉の語尾が何故か歯切れが悪くなったので、不思議に思って顔をあげると、名無しくんと総悟の視線が土方さんに一点集中していた。


「‥‥何かあったんですかィ?土方さん」
「‥‥何かあったんですか?土方さん」


声を揃えた二人の視線を一身に受けた土方さんは、居た堪れないのか、


「な、何でもねーよ!それより行くぞ!」


顔を赤らめてドスドスと大きな足音を立てて部屋を出て行ってしまった。

‥‥何かマズイことしたかな。


「それじゃあ姉上、残念ですけどそろそろ行きますね」

『あ、うん頑張ってね』

「それから、今日のエスコート役は別に頼んでますので。くれぐれも気をつけて、楽しんできてくださいね」

『‥‥エスコート?』


◇◆◇


『‥‥って、銀さん?』

「あぁ?何だおめェ、文句あんのか?」

『‥‥いえ』

「言っとくけどアレだよ?頼まれたから銀さん来てるだけだかんね」

『‥‥はァ』


夕方になって名無しくんに言われた場所で待っていると、現れたのは万事屋一向。


「早く行くネ!やきとり食べるネ!」


祭りが楽しみなのか、もう待っていられないと言う神楽ちゃんは、すごく大きな機械人形に担がれていた。
江戸一番の機械(カラクリ)技師である平賀源外さんという方の発明品で、今日の祭典にはそのカラクリ芸も披露するらしい。

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