STAGE.12
「キャハ〜!次は焼きうどんネ!」
煌びやかな提灯がいくつも灯される中、お好み焼きや焼きイカ、美味しそうな匂いが出店から漂う。
祭り独特の雰囲気にテンションも上がり、何だか楽しくなってくる。
機械人形に担がれた神楽ちゃんと新八くんと一緒に出店を見て回り、何を食べようかと考えていると、甘い香りが鼻をかすめた。
『ねェ、りんご飴食べない?私奢るから』
「え?いいんですか?」
「アタシ、トウモロコシがいいネ!」
『はいはい』
近くにお店を見つけ、目的の物を出店のおじさんに頼む。
自分と新八くんの分のりんご飴と神楽ちゃんの分の焼きトウモロコシを持って二人のところへ戻ると、「ありがとう」と言って受け取ってくれた。
『あれ、三郎‥‥だっけ?いなくなったの?』
気づくと神楽ちゃんを担いでいた機械人形がいなくなっている。
「平賀さんが最後の調整があるとかで連れて行きました」
『あ、そっか。もうすぐ始まるのかな?』
「えぇ、多分そろそろだと思いますよ」
広場で行われるという平賀さんのカラクリ芸も見てみたい。
出店を回るのは後にして、先にそっちに行こうかな。
『じゃあ、私銀さん誘って見に行ってくるね』
まだ出店を見て回るという新八くんたちとは別れて、銀さんが飲んでいる場所へと向かう。
ちょうど銀さんも飲み終えて、広場に移動するところだったらしく、その後を私はついて行った。